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第四十八話 留学
しおりを挟むあれから時が経ち、2年の前期が終わる。
そして、今日は留学の出発の日だ。
今回の留学はノラと一緒だから、結構楽しめると思う。
本当はリリも来たかったみたいだが、留学の参加にはAクラス以上の者達だけなのだ。
だから、リリは参加出来ないのだ。
私は留学に参加する気は無かったのだが、今回の留学先である隣国のマリーサ王国は魔法具が有名なので、ノラが興味を持ったのだ。
そして、リリが隣国に興味を持ったので、今回の留学に参加が決まった。
リリの参加が出来るように動いたのだが、何とか出来なかったのだ。
中級悪魔を倒した報奨も利用しようとしたが、結構直前だった為対応が無理だった。
そして、今日は留学に出発する日だ。
旅の荷物を馬車に乗り込んで、今は馬車の前に私とノラが立って、リリと雫ちゃんとバースナ子爵が私達の前に立っている。
「ぶ、無事に帰ってきて、クルス、ノラ」
「どうか楽しんできて下さい。でも、絶対無事に帰ってきて下さい。ロガーさん、リバスタさん」
「2人ともくれぐれも気おつけてくれ」
「そんなに心配しないで下さい。クルスさんと一緒ですから」
「安心して下さい。必ず、ノラと一緒に無事に帰ってきますから」
そう挨拶した後、私達は馬車に乗り込んで王立学園に向かう。
王立学園に到着すると殆どの者達が既に集まっていたのだ。
本当ならもう少し早く到着する予定だったが、リリ達と過ごしていたら遅くなってしまう。
まぁ、遅刻してないから大丈夫だが。
私はノラをエスコートしながら馬車から降り、集合場所に向かう。
集合場所に到着すると何人か足りないことに気がつく。
それはあの筆頭公爵家の次男とその取り巻き達だったのだ。
全員が集まらないと出発することも出来ず、ただ無意味に待つことになってしまう。
まぁ、私達はそこまで問題は無かった。
ノラがある魔法具を展開してくれたからだ。
展開させた魔法具はノラが作り出したものであり、何処でもお茶することが出来る。
だから、ノラとお茶を飲みながら、待つことが出来たのだ。
周りからは視線は集まったが、特に気にすることは無い。
ノラと楽しく話していると堂々した態度でやってきたのだ。
遅刻してきた者達は。
そんな者達に向けられた視線は冷たいものだ。
その視線に気がついた遅刻した者達は事態の把握がやっとでき、冷や汗をかいている。
まぁ、自業自得だな。
先生達も遅刻した者達に呆れた視線を向けながらも出発の準備を進める。
本来は4人で1つの馬車で移動するのだが、王立学園から1つの礼として、ノラと2人きりの馬車なのだ。
私はそれに感謝しながら、ノラをエスコートしてその馬車に乗り込む。
私達が乗り込むと馬車は動き出す。
馬車は何事もなく進み、1週間後にはマリーサ王国に到着したのだ。
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