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第三十七話 転移魔法
しおりを挟むまた1ヶ月が経つ。
一般スタッフの教育がそれなりに早く終わり、リゾート施設がオープンしてから既に1週間が経ったのだ。
オープンした結果、相当の利益を売り上げている。
特に人気なのは水族館と動物園だ。
私としてはプールだと思っただが、水遊びが既にあるので新鮮さがなかったのだろう。
今日は休日なので、リリ達と街に出掛けていた。
そして、今は屋敷に帰って来ている。
リリ達は購入した物を自室で片付けている。
なので、今は1人だ。
今日は朝から出掛けていたので、訓練をしてない。
だから、訓練をしよう。
あ、でもこの後、リリ達とお茶する予定があるから程々にしないとな。
そう思いながら、私は裏庭に移動する。
悪魔の宴から私は戦闘態勢を直ぐに取れるように武器と防具が入った魔法袋を持っている。
裏庭に到着したので、訓練を始めようとすると私の周りが光に包まれたのだ。
は?
なんで、また転移魔法されたのだ?
そんなことを思っていると私は強い光に包まれた。
強い光が晴れると私は見知らぬ場所にいて、見知らぬ者もいる。
だが、その中に見知った者がいたのだ。
「あ、悪魔王殿。え、えっと、何の用ですか?私、この後お茶をする約束があるのですが」
「そうなのか。でも、それは急ぎでは無いだろ?」
「ま、まぁ、そうですが」
そう答えると何故か悪魔王は指を鳴らしたのだ。
「それと用だったな。そこの奴を倒して欲しいんだ」
悪魔王殿は目の前にいる悪魔を指差す。
「それは良いのですが、何故私なのですか?」
「実はな、眼の前にいる悪魔には悪魔の攻撃が通らないのだ。だから、人間であるクルスに倒して貰いたい」
「そういった事情なのですね。なら」
私は魔法袋から小さい透明の水晶を取り出し、握りつぶす。
すると、水晶は消え去り、その代わり防具が私の身を包んだのだ。
「ハァ。下級の生物の人間が悪魔に敵う訳ないだろ。耄碌したな、悪魔王よ」
目の前にはいる悪魔は私に見下している。
「耄碌などしていない。クルスは悪魔の宴で四天王の1人、リフレーヌを右手を犠牲にした攻撃で1度殺している。まぁ、体を真っ二つに斬られたところで死にはしないがな」
その言葉に目の前にいる悪魔は驚きの表情を浮かべていたのだ。
「えっと、それは話していいのですか?魔法で禁止していたはずでは?」
「うん?まぁ、いいさ。別に不都合がある訳ではないからな。それに、あれは悪魔の宴のルールみたいなものだから、今話すなら何も問題無い」
「そうなのですか。というか、今サラリと私の右手が斬り落とされたことを言いましたね」
「別にいいだろう。その右手は治したのだから」
そう答えた悪魔王は私の目を見てくる。
「さて、お喋りは終わりだ。人間の力を見せてやれ、クルスよ」
「人間の力とは言いませんが、斧使いの力はお見せしましょう」
私は悪魔王から視線を離し、目の前にいる悪魔の方に視線を向ける。
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