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第三十一話 王国祭
しおりを挟む長期休暇の終わりが後一週間に迫った日に私達は王都に戻っていたのだ。
本当ならもっと遅く王都に来るのだが、今回は王国祭に参加する為に。
私は参加する気は無かったが、リリ達が参加したいと言うので参加することに決まったのだ。
祭りは明日の為、屋敷までの道なりには様々な人々の準備を進めている。
リリ達はそんな街の様子を見て、今から楽しみそうにしていたのだ。
そんな2人を見た私は癒やされていたが、ここで言っておくことを思い出す。
「あ、そうだ。ふたりとも明日は二人きりにならないでくれ。私かバースナ子爵と一緒に行動することを守ってほしい」
「それはなんでですか?」
「2人が今着ている服のことを考えてくれ」
その言葉を聞いた2人は不思議そうな表情を浮かべながら、最高品質のシルクで作られた服に身を包んでいる。
はっきり言って、こんな服に身を包んでいるのは大金持ちか権力者ぐらいだろう。
だから、身代金目的の誘拐に遭う可能性が高い。
「確かにこの服はシルクですけど、そんなに高いなんですか?」
「そうだな。ノラに分かりやすく例えるとその服でランク1の魔法具を普通に買えるくらいだ」
それを聞いたノラは驚きのあまり固まってしまう。
そんな様子のノラを見たリリは不思議そうな表情を浮かべながら、私の方を向いてくる。
「け、結局それはどれぐらい高いの?」
「リリに分かりやすく言えば、純金で出来たネックレスが2個買える」
それを聞いたリリはノラと同じように固まってしまう。
「え、えっと、な、なんでそんなに高いですか?普通のシルクならそこまでしませんよ」
「そうだな。だが、リリ達が今着ているシルクは厳選に厳選を重ねだ最高品質なんだ。だから、数が少なくて必然的に値段が高くなってしまうんだ」
「ま、待って。確か、シルクの製法は漏れた筈だよね?」
「ああ。漏れたが、それは普通の製法なんだ。だから、最高品質のシルクは大丈夫だ」
そう発言すると同時に屋敷に到着したのだ。
「まぁ、注意してくれという話だ。だから、明日は普通に楽しもう」
「「はい」」
その日は私達は屋敷で休む。
次の日は朝食を食べてから、街に出掛ける。
私とリリ達とバースナ子爵は。
街は祭りだということもあり、活気に満ち溢れていた。
そんな街の中を私達は歩いている。
リリ達は活気に満ち溢れていた街を見ながら、楽しそうな表情を浮かべていたのだ。
そんなリリ達を見ながら、私とバースナ子爵も祭りを楽しんだ。
一応、私は武装している。
防具はつけてないが、武器が入っている。
勿論、手に馴染む斧もある。
だが、屋敷に帰るまで何も起きることは無かったがな。
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