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第二十四話 舐めた代償
しおりを挟む昨日泊まっていた部屋とは違う部屋で私は目が覚める。
目が覚めた私は身支度を整えてから、私は闘技場に向かう。
リリ達は後で闘技場に来る。
私が早く闘技場に来たのは斧を振るためだ。
他の場所では振れないからな。
私が斧を振っていると視線を感じる。
それは馬鹿にするような視線だと直ぐに理解出来る。
視線を感じた方を向いてみると、ケリーア王国の紋章が刻まれている鎧を身に包んでいる男がいたのだ。
あれは、確かこの国の第2王子だったはず。
この国の中で1番強いと呼ばれている者。
そう聞いていたが、私はあまりの弱さに失望してしまう。
おいおい、その辺の者よりは強いが、そこまでではないぞ。
あの中級悪魔と比べ物にならない。
ハァ、あの程度の実力で私を見下しているなんて。
多分、私が中級悪魔を倒したことも嘘だと思っているのだろう。
それなら、わからせてやろう。
そして、舐めた代償を払わせてやる。
そんなことを思いながら、私は斧を振り続ける。
決勝が始まるまで。
斧を振っていると決勝が始まったのだ。
決勝の出場者は十六人なので、4回戦えば、優勝することが出来る。
さて、本気を出さずに終わらせるか。
私は斧だとまだ舐め、慢心していた剣士達を圧倒し、あっという間に決勝に勝ち進む。
勿論、決勝の相手はあの第2王子だ。
第2王子は私の戦いを3回も見ていたのにまだ舐めていたのだ。
いや、違うな。
明らかに下に見ている。
偶にいるよな。
自身の力を信じて疑わない者が。
そんな者の大抵はさほどの実力がない。
だから、分からせてやる。
そんなことを考えていると決勝戦が始まったのだ。
最初は防御に集中するか。
第2王子は私が攻めてこないことを察したのか、全力で攻撃してくる。
明らかに気持ちよくなっていたが、明らかに技能が低い。
現に私はこの場から動いていない。
さて、気持ちよくなっているところ悪いが、そろそろ終わらせよう。
一撃で。
私の防御を崩そうと剣を上に振り上げた時に私は斧を腹を横に向ける。
そして、そのまま横に力一杯に振ったのだ。
その攻撃に何も反応出来ずに第2王子は吹き飛ばされ、壁まで吹き飛ばされる。
壁まで吹き飛ばされた第2王子は啞然とした表情を浮かべていたのだ。
そんな第2王子に私は近づく。
「1つ聞く。貴方は私を舐めていたな」
「あ、当たり前だろ。剣こそ至高なんだぞ。斧なんて論外に決まっている」
「別に舐めるのは構わない。だが、代償はもらうぞ」
「だ、代償?」
「ああ、そうだ。貴方が武人からただの愚か者に成り下るだけだ。それで今と同じ地位にいられるなと思うなよ」
そう言い、私は録音の魔法具とある魔法具を取り出す。
これはあまり知られていないことだが、悪用が出来ないようにずっと録音されているのだ。
そして、もう1つ取り出した魔法具はそれを再生することが出来るものだ。
これらが集まれば、あの愚か者の罪が明らかになる。
私は何の躊躇もなく、2つの魔法具を起動させる。
すると、あの愚か者の愚行が公開されたのだ。
公開された情報を見た闘技場にいた人々は啞然とした表情を浮かべていたのだ。
そして、あの愚か者は絶望の表情を浮かべていたのだ。
私はその愚か者から背を向け、リリ達のところに向かう。
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