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第三十六話 完成

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 2年の前期が始まって1ヶ月が経つ。

 1ヶ月経ったのだが、最近困っていることがある。

 リリ達の距離が近くなったのだ。

 前まで少し距離があったのに婚約者という理由で本当に近くなったのだ。

 密着するということは無いのだが、リリ達のいい匂いを嗅いでしまう。

 ま、まだ理性は耐えられる。

 リリを膝の上にのせて、頭を撫でるよりは。

 ちなみに私はあの後国王陛下に呼ばれている。

 そこで色々と事情を聞かれたのだ。

 全ての事情を話した後に褒美と聞かれたが、今回は遠慮することにする。

 あの裏組織を壊したのはリリ達の通り道をする少しでも安全にするためだ。

 だから、褒美はいらないのだ。

 言い忘れていたが、あの雇われ者の墓を作る。

 ちなみに墓は雇われ者が使用していた剣を地面に突き立てたものだ。

 私はあの者のことを何も知らない。

 名前さえも。

 だから、名前を刻めなかった。
 
 だが、あれで良いのだろう。

 あの雇われ者は居合い切りを。

 紅茶を飲みながら、最近のことを振り返っていると建築を任せていた職人が訪ねてきたのだ。

 珍しいな。

 普通の報告なら手紙で来るはずなのに、相当大事な報告だということだろう。

 職人を応接室で待ってもらい、直ぐに向かう。

 応接室に到着したら、簡単に挨拶を終えた後、私は大事な報告を聞くことにする。

 報告は私にとって嬉しいことだ。

 観光資源の完成だったからだ。

 私は職人に礼を言い、リリ達に完成した旨と今から領地に行くことを伝える。

 伝えた後、私は馬に跨り、領地に向かう。

 領地に到着する前に見えてくる。

 凄いな。

 計画書通りに出来ている。

 しかも、半年も経たずに完成した。

 この世界は魔法があるので、作業のスピードが早い。

 まぁ、魔法を使う職人を雇うには金がかかる。

 その辺は問題無いな。

 所持金はかなり減ったが、借金することも無かったし。

 それに、この施設がオープンすれば、直ぐに取り戻せるだろう。

 そんなことを考えていると完成した観光資源に到着する。

 到着すると職人達が出迎えてくれたのだ。

 私が観光資源として完成させたのは前世のようなリゾート施設だ。

 このリゾート施設にはプールを始めたとした様々なアクティビティをつくっている。

 勿論、泊まるための施設も存在している。

 泊まるための施設はリゾートホテルとコテージの2種類がある。

 他の施設は随時増やしていく予定だ。

 後は従業員の教育だな。

 幹部達はもう採用し、教育を終えている。

 一般スタッフを教育すれば、開業することが出来る。

 大体1ヶ月後ぐらいかな。

 オープンするのは。

 その間に宣伝しないとな。

 これは予想だが、相当の人が来るだろう。

 まぁ、それは1ヶ月後だな。
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