貧乏男爵家の四男に転生したが、奴隷として売られてしまった

竹桜

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第十三話 襲撃

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 色々と動いた結果、シルク工場は安定を取り戻す。

 思っていた通り、売り上げは落ちたがそこまで問題は無い。

 そして、普通に王立学園が始まる。
 
 今日で始まってから1ヶ月が経つ。

 私は今SクラスとAクラスが合同で授業を行うため、講堂に集まっている。

 SクラスとAクラスなのでリリがいるBクラスはこの講堂の中にいない。

 講義が始まるまで待っていると気になる美少女を見つけたのだ。
 
 ピンク色の髪をおさげにし、ピンク色の瞳をしている。

 そして、何かの本を読んでいる。

 ここから詳しく見えないが、多分魔法具関連のものだろう。

 あ、思い出した。

 確か、魔法具技師の天才だったはず。

 前にそうゆう話を小耳に挟んだことがあるな。

 それにしても女性だったとわ。

 そんなことを思っていると教師が講堂に入っていのだ。

 教師がお喋りを静止させ、講義を開始しようとしたが、その後ろには人型の何かが立っていたのだ。

 立っていた人型の何かはいきなり教師の首をはねたのだ。

 首をはねられた教師は切られた首から真っ赤な血を流しながら、力無くそのまま地面に倒れる。

 その瞬間、止まっていた時間が動き出す。

 この場にいる私以外の者達の悲鳴で。

 それからはこの講堂は混乱に包まれる。

 殆どの者は講堂の外に出ようと出口に集まる。

 何人もの人が扉を叩いたが開くことは無い。

 その光景を見ながら、壇上にいる人型の何かはニヤニヤしていたのだ。

 つまり、出れないということか。

 あの存在によって。

 なら、戦うか。

 そんなことを思っていると緊急事態用の斧を見つける。

 これで戦うか。

 私は緊急事態用の斧が置かれている場所まで移動し、手に取ってみたが、違和感を感じたのだ。

 私が愛用している斧と姿は瓜二つはずなのに何故か手に馴染まないのだ。

 そんなことを疑問に思っていると人型の何かは壇上から移動し、魔法具技師に剣を振り下ろそうとしていたのだ。

 魔法具技師は恐怖で顔を真っ青にし、腰が抜けて地面に女の子座りしている。

 ここであの魔法具技師の美少女を見捨てたら、リリに失望させてしまうかもしれない。

 いや、違うな。

 男として有り得ないことだ。

 目の前で襲われそうな女性を見捨てることなど。

 そう考え、決心した私は斧を持ってその間に割って入る。

 その瞬間、振り下ろされた剣を斧で受け止める。

 剣を受け止められた存在は驚きの表情を浮かべていたので、大きな隙をつくる。

 なので、私は存在の腹に蹴りを入れて、壇上まで吹き飛ばす。

 蹴った感覚、そこまで硬く無いな。

 私は1度魔法具技師の美少女をちらりと見た後、壇上に向かう。

 壇上に到着すると存在は怒り狂っていたのだ。

 そのまま、怒りに身を任せて剣を振ってくる。

 その剣は威力はあったが、正確性は無い。

 右上から左下に振り下ろされた剣を身を捻って避け、斧を左下から右上に振り上げる。

 冷静さを失っている存在はいきなりのことで避けることが出来ず、左下から右上に斧の斬撃を受けたのだ。

 だが、緊急事態用の斧の為そこまで切り味は良くないため、軽症ではないが決定的な傷を与えることは出来ない。

 傷をつけられたかは分からないが、存在は冷静さを取り戻していたのだ。

 剣を構え、私を敵と認定している。

 それを確認した私は右手を斧を構えながら、左手を後ろに回す。

 暫くの間、両者は動かなかった。

 先に動いたのは存在だ。

 存在は私の目の前まで踏み込んできて、剣を横薙ぎに振ってきたのだ。

 私は身を屈め、その横薙ぎの剣を避ける。

 そして、右手で構えていた斧を下から振り上げたのだ。

 存在は何とか避けたが大きく体勢を崩す。

 大きく体勢を崩したといったが、右手の斧の攻撃は間に合わない。

 掛かったな。

 そう確信した私は後ろに隠し持っていた魔法袋から手に馴染む斧を取り出し、横薙ぎに振ったのだ。

 そう、右手での斧の攻撃は間に合わないといったが、左手での斧の攻撃は間に合う。

 その存在は視界外から斧の攻撃を避けることは出来ず、そのまま横薙ぎの攻撃を受けたのだ。

 横薙ぎの攻撃を受けた存在は切られた傷から大量の血を流しながら、私の方を見てくる。

 「お、お前は何だ?」

 「ただの斧使いだ」
 
 「そ、そうか…」

 そう言い残した存在は力無く前に倒れる。

 そして、壇上に血溜まりが広がり、そのまま目から生気が失っていく。

 やれたか。

 斧から血を払うのと同時に音が聞こえる。

 扉を開く音が。

 どうやら、異常を察知した教師がやってきたみたいだ。

 そんなことを思っていると講堂内にいる者達の視線は私に集まっていたのだ。

 ハァ、面倒なことになりそうだな。
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