魔王の側近はお暇を頂く

竹桜

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第十二話 重婚

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 朝早くに家を出て、魔王城に向かった。

 魔王城に到着したら謁見の間ではなく、執務室に向かった。

 執務室の前に到着したら、扉をノックをした。

 「こんな朝早くから誰だ?」

 「私です」

 「グリークスか、珍しいな。鍵は開いているから入ってきてくれ」
 
 入室の許可を得たので、私は扉を開けて、執務室の中に入った。

 「さて、何の用だ?」

 「少し相談したいことがありまして」

 「お前が相談か。本当に珍しいな」

 私は執務室の中にあるソファーに座り、魔王様に相談したのだ。

 カリーサに告白され、リーフにも告白されたということを。

 そして、リーフには2番目でもいいと言われたことも。

 「なんだ、そんなことで悩んでいたのか?」

 「そ、そんなこと?え、えっと、この魔王国では重婚は出来ないはずでは?」

 「確かにそうだな。でもな、お前。これまでためてきた報奨を使えれば、何も問題無いだろ?」

 「そ、それは」

 「それにお前みたいな優秀な者が増えるのは国としても得なことしか無いな」

 「た、確かにそうですね」

 う、受け入れるのしかないのか?

 「まぁ、お前のことだ。二人のことが受け入れられるなら、受け入れるだろ?」

 それはそうだ。

 女性から好意を向けられたのだ。

 それを受け入れるのは男もして当然だ。

 「どうやら、覚悟が決まったようだな」

 そう言い、魔王様は私の顔を見ながら、ニヤリと笑っていた。

 「はい。ですので、2つお願いしたいことがあります」

 「言ってみろ」

 「1つ目はこの後早退を許可してほしいです。そして、2つ目は定時後に魔王城の屋上を貸し切りたいです」

 「どちらも許そう」

 「ありがとうございます。それでは、失礼します」

 そう言い、私は執務室を退室し、ある場所に向かった。

 目的な場所に到着し、私はある人物を探している。

 周りには金属を加工する音が響いている。

 その音の中で私は目的な人物を見つけた。

 その人物に話しかけ、私はある物を作ってもらった。

 それらが完成する頃には定時まで残り僅かになっていた。

 私は礼を言い、この場を後にした。

 そして、魔王城の屋上に向かったのだ。

 魔王城の屋上に到着する頃には定時を過ぎており、顔を少し赤くしたカリーサが待っていてくれていた。

 「待たせて、すまない」

 「い、いえ。来たばかりなので大丈夫です」

 「そうか。それで昨日の返事なのだが」

 「は、はい」

 そう言い、カリーサの顔は真っ赤になっていたのだ。

 そんなカリーサを見ながら、私は懐から小さい箱を取り出した。

 その小さい箱の中から緑色の宝石が埋め込まれた指輪を取り出したのだ。

 その指輪を見たカリーサは両手で口元を押さえ、顔を更に真っ赤にしていた。

 「受け取ってくれるか?」

 「はい。受け取らさせて貰います」

 そう言い、カリーサは指輪を受け取ってくれた。

 「カリーサ。これからは私のことを様付けしなくていい。そして、そのままでいてほしい」

 「こんな私、ううん、こんな僕を受け入れてくれてありがとう、グリークス」

 そう言い、カリーサは嬉しそうなを微笑んでいたのだ。

 カリーサと過ごした後、私はある許可を取ったのだ。

 許可は無事に取れた。

 準備すると言い、カリーサは嬉しそうな表情のまま、私の前から移動したのだ。

 カリーサが準備している間に私は家に帰った。

 家に到着するとリーフが出迎えてくれたが、ソワソワしていた。

 「お、お帰りなさい。グ、グリークスさん」

 「ただいま、リーフ。少し今から時間大丈夫か?」

 「は、はい。大丈夫です」

 「じゃあ、少し庭に来てほしい」

 「は、はい」

 リーフは庭までついてきてくれた。

 庭に到着したリーフは緊張した表情を浮かべていたのだ。

 そんなリーフを見ながら、私は懐から小さい箱を取りだした。

 その小さい箱から赤色の宝石が埋め込まれた指輪を取りだしたのだ。

 その指輪を見たリーフは片手で口を押さえ、顔を真っ赤にしていた。

 「リーフ。これが私の気持ちだ。受け取ってくれるか?」

 「は、はい、はい。受け取らさせて頂きます」

 そう言い、リーフは指輪を受け取ってくれた。

 その後、私はあることをリーフに許可を取った。

 リーフは了承してくれたのだ。

 その時、足音が聞こえた。

 「え、えっと、グリークス。来たよ」

 声がした方を向くとカリーサがいたのだ。

 到着したカリーサはリーフと自己紹介を終え、家の中に入った。

 これから、私は2人と重婚する。

 だから、2人と同じ家に同棲することにした。

 さて、これからどうなることか。

 そんなことを思いながら、私は家の中に入ったのだ。
 
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