魔王の側近はお暇を頂く

竹桜

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第二話 冒険者に

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 さて、無事に到着したな。

 取り敢えず、街に向かうか。

 その前に入れないとな。  

 そんなことを思いながら、私は右手を草原が広がっているだけの方に伸ばした。

 「アイテムボックス」

 そう唱えると黒い渦が現れたのだ。

 私はその黒い渦の中に躊躇なくお金を投げ入れた。

 お金を投げ入れられた黒い渦は勝手に消えた。

 よし、街に向かって歩くか。

 私はここから微かに見える街に向かって歩き始めた。

 普通なら肉体強化を使うが、今は休暇中なんだ。

 だから、ゆっくりと歩いて行こう。

 何も無い草原を見ながら、歩いていると街に到着した。

 街に到着したら、私は街を取り囲む粗悪な壁を潜り街の中に入った。

 街はそこそこ発展していた。

 信じられないな。

 ここがこの国での2番目の都市なのか。

 無益な争いをし続けているから文明が相変わらず遅れているな。

 今の魔王国には魔導列車が運行している。

 それに比べたら。

 そんなことを思いながら、歩いていると冒険者ギルドに到着した。

 到着した冒険者ギルドは緊急時の要塞を兼ねているので、堅牢な石造りだった。

 それなりだな。

 私はそのまま冒険者ギルドの中に入り、受付に向かった。

 受付の前に到着すると冒険者ギルドの制服に身を包んだ女性が事務的な笑顔を浮かべた。

 「冒険者ギルドに何かご用でございますか?」

 「冒険者登録をしたいのだが」

 「畏まりました。では、こちらに記入をお願い致します」

 そう言い、その女性は書類を出してきた。

 私はその書類を受け取り、記入した。

 名前の部分だけは偽名としてハースと書いた。

 書き終えたら、書類を女性の方に手渡した。

 女性はその書類を受け取り、確認終えたら、私の方を向いたのだ。

 「何も不備な所は無いですね。では、登録料をお願い致します」

 登録料が必要なのか。

 じゃあ、出さないとな。

 そんなことを考えながら、右手を伸ばした。

 「アイテムボックス」

 そう唱えると黒い渦が現れ、その黒い渦から必要なお金を取り出した。

 取り出したお金を受付に置いたが、女性は驚きで固まっていた。

 何故、驚いているんだ?

 そうか。

 人間達の中だとアイテムボックスは珍しいのか。

 下級魔族でさえ使える魔法なのに。

 まぁ、そんなことはどうでもいい。

 「驚いているところ悪いが、処理をしてくれないか?」

 「えっ?あ、はい。す、直ぐに致します」

 そう言い、女性は冒険者登録を処理してくれた。

 私は冒険者カードを受け取り、冒険者ギルドを後にした。

 冒険者ギルドを出る際に視線を感じだが、全て無視した。

 その後、この街の宿で体を休めたが、魔王国と比べると貧相だったが、これも他の国の醍醐味か。
 
 それで何とか納得することにした。
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