44 / 61
第四十四話 侯爵に
しおりを挟むその後、私はメスリーと別れ、セーリと一緒に自分の屋敷に帰った。
屋敷に到着すると、使用人達が出迎えてくれた。
私は留守を労い、屋敷の中に入った。
その日は普通に過ごして、屋敷で休んだ。
魔王討伐を終え、日常に戻った朝を迎えた。
メスリーとセーリと過ごしたかったが、王城に呼ばれた。
謁見と言われ。
しかも王城から迎えまでやって来ている。
嫌だな。
そんなことよりもメスリーと過ごしたいし、セーリを愛でたい。
ハァ、貴族の義務だから行くしかないか。
謁見に行くことをメスリーとセーリに伝えてから、迎えの馬車に乗り込んだ。
迎えの馬車が王城に到着すると、相当数の使用人に出迎えていたのだ。
す、凄いな。
執事に案内され、謁見の間に通された。
謁見の間には既に貴族達が待っていた。
その中に私以外の勇者パーティーはいなかった。
私は地面にひかれている絨毯の端まで歩き、片膝をついた。
そして頭を下げた。
「ベアード子爵。魔王討伐ご苦労。たった一人、いや、ベアード子爵の兄弟のベーア殿との戦いは本当に素晴らしいものだった。称賛に値する」
「ありがとうございます」
「うむ。褒美として、侯爵の位と領地を授ける。領地に関しては後で説明する」
「謹んでお受けいたします」
「では、ベアード侯爵。1週間後にパレードを行う。その後に夜会も開くので、準備を怠らないように」
「承知しました」
それで謁見は終わり、私は屋敷に帰った。
屋敷に帰ったら、パレードの準備と夜会の準備も始めた。
あっという間に、1週間が経ち、パレードの日になった。
私は豪華な馬車に乗り込み、市民達に手を振っている。
市民達は手を振りながら、歓声を上げている。
パレードは無事に終わり、一旦私は屋敷に戻った。
そこで夜会用の衣装に着替え、私が用意したドレスに着替えたセーリと一緒に馬車に乗り込んだ。
王城に向かう前にナスーリ子爵家の屋敷に向かい、メスリーを迎えにいった。
メスリーは私が用意したドレスに身を包んでいた。
メスリーが馬車に乗り込んでから、王城に向かった。
王城に到着したら、メスリーをエスコートしながら、夜会の会場に向かった。
セーリはナスーリ子爵にエスコートして貰った。
私達が入場すると、会場中の視線に晒された。
予想していたことだが、凄いな。
こんなにも視線に晒されると。
私達は固まりながら、開始を待っていると、王族が入場してきた。
国王陛下がグラスを持ち、上に上げた。
「皆の者。今回の夜会の主役はではないが、乾杯の音頭をさせてもらう。では、乾杯だ」
国王陛下の合図で、夜会が始まった。
夜会が始まると、私達は貴族に囲まれた。
魔王討伐した者と少しでも縁を持とうとして。
中でも多かったのはセーリとの婚約の話だった。
私と縁を結ぶなら、セーリとの婚約が1番だからな。
そんな貴族達を上手い感じで躱した。
貴族を躱した後、私はメスリーをエスコートして、ホールの中心に向かった。
そこで音楽に合わせて、メスリーと踊った。
メスリーと踊った後はセーリとも踊った。
その後はメスリーとセーリと一緒に夜会を楽しんだ。
無事に夜会を終えた。
気になることは奇妙な視線を感じたことだ。
その視線は私ではなく、メスリーに向いていた。
メスリー自身は気付いて無かったが、明らかに向いていた。
警戒はしておこう。
後で聞いたことなんだが、私以外の勇者パーティーはあまりいい結末になったみたいだ。
主人公以外は魔王殿から逃げたことで次期当主から外された。
更に婚約も難しいことになっているようだ。
敵を前に逃げたからみたいだ。
そして主人公は実家から縁を切られ、指名手配された。
罪状は私の殺人未遂だ。
懸賞金も掛けられているようだ。
ゲームの主人公なのに指名手配とは少し笑ってしまった。
1
お気に入りに追加
406
あなたにおすすめの小説
【転生先が四天王の中でも最弱!の息子とか聞いてない】ハズレ転生先かと思いきや世界で唯一の氷魔法使いだった俺・・・いっちょ頑張ってみますか
他仲 波瑠都
ファンタジー
古の大戦で連合軍を勝利に導いた四人の英雄《導勝の四英傑》の末裔の息子に転生した天道明道改めマルス・エルバイス
しかし彼の転生先はなんと”四天王の中でも最弱!!”と名高いエルバイス家であった。
異世界に来てまで馬鹿にされ続ける人生はまっぴらだ、とマルスは転生特典《絶剣・グランデル》を駆使して最強を目指そうと意気込むが、そんな彼を他所にどうやら様々な思惑が入り乱れ世界は終末へと向かっているようで・・・。
絶剣の刃が煌めく時、天は哭き、地は震える。悠久の時を経て遂に解かれる悪神らの封印、世界が向かうのは新たな時代かそれとも終焉か────
ぜひ読んでみてください!
おいでませ異世界!アラフォーのオッサンが異世界の主神の気まぐれで異世界へ。
ゴンべえ
ファンタジー
独身生活を謳歌していた井手口孝介は異世界の主神リュシーファの出来心で個人的に恥ずかしい死を遂げた。
全面的な非を認めて謝罪するリュシーファによって異世界転生したエルロンド(井手口孝介)は伯爵家の五男として生まれ変わる。
もちろん負い目を感じるリュシーファに様々な要求を通した上で。
貴族に転生した井手口孝介はエルロンドとして新たな人生を歩み、現代の知識を用いて異世界に様々な改革をもたらす!かもしれない。
思いつきで適当に書いてます。
不定期更新です。
異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~
宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。
転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。
良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。
例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。
けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。
同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。
彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!?
※小説家になろう様にも掲載しています。
転生貴族の異世界無双生活
guju
ファンタジー
神の手違いで死んでしまったと、突如知らされる主人公。
彼は、神から貰った力で生きていくものの、そうそう幸せは続かない。
その世界でできる色々な出来事が、主人公をどう変えて行くのか!
ハーレム弱めです。
神が作った異世界でほのぼのする予定。
キツネバレー
ファンタジー
なにもわからないまま異世界転生された元OLは、男になって神の作った世界でやりたい放題ほのぼのライフを実現する予定!
胸糞悪い敵だったりいつまでもいる悪役はいない世界で好きなように生きていく!
カクヨムで掲載始めました。
退屈な人生を歩んでいたおっさんが異世界に飛ばされるも無自覚チートで無双しながらネットショッピングしたり奴隷を買ったりする話
菊池 快晴
ファンタジー
無難に生きて、真面目に勉強して、最悪なブラック企業に就職した男、君内志賀(45歳)。
そんな人生を歩んできたおっさんだったが、異世界に転生してチートを授かる。
超成熟、四大魔法、召喚術、剣術、魔力、どれをとっても異世界最高峰。
極めつけは異世界にいながら元の世界の『ネットショッピング』まで。
生真面目で不器用、そんなおっさんが、奴隷幼女を即購入!?
これは、無自覚チートで無双する真面目なおっさんが、元の世界のネットショッピングを楽しみつつ、奴隷少女と異世界をマイペースに旅するほんわか物語です。
孤児院で育った俺、ある日目覚めたスキル、万物を見通す目と共に最強へと成りあがる
シア07
ファンタジー
主人公、ファクトは親の顔も知らない孤児だった。
そんな彼は孤児院で育って10年が経った頃、突如として能力が目覚める。
なんでも見通せるという万物を見通す目だった。
目で見れば材料や相手の能力がわかるというものだった。
これは、この――能力は一体……なんなんだぁぁぁぁぁぁぁ!?
その能力に振り回されながらも孤児院が魔獣の到来によってなくなり、同じ孤児院育ちで幼馴染であるミクと共に旅に出ることにした。
魔法、スキルなんでもあるこの世界で今、孤児院で育った彼が個性豊かな仲間と共に最強へと成りあがる物語が今、幕を開ける。
※他サイトでも連載しています。
大体21:30分ごろに更新してます。
せっかく異世界に転生できたんだから、急いで生きる必要なんてないよね?ー明日も俺はスローなライフを謳歌したいー
ジミー凌我
ファンタジー
日夜仕事に追われ続ける日常を毎日毎日繰り返していた。
仕事仕事の毎日、明日も明後日も仕事を積みたくないと生き急いでいた。
そんな俺はいつしか過労で倒れてしまった。
そのまま死んだ俺は、異世界に転生していた。
忙しすぎてうわさでしか聞いたことがないが、これが異世界転生というものなのだろう。
生き急いで死んでしまったんだ。俺はこの世界ではゆっくりと生きていきたいと思った。
ただ、この世界にはモンスターも魔王もいるみたい。
この世界で最初に出会ったクレハという女の子は、細かいことは気にしない自由奔放な可愛らしい子で、俺を助けてくれた。
冒険者としてゆったり生計を立てていこうと思ったら、以外と儲かる仕事だったからこれは楽な人生が始まると思った矢先。
なぜか2日目にして魔王軍の侵略に遭遇し…。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる