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第四十四話 侯爵に

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 その後、私はメスリーと別れ、セーリと一緒に自分の屋敷に帰った。

 屋敷に到着すると、使用人達が出迎えてくれた。

 私は留守を労い、屋敷の中に入った。

 その日は普通に過ごして、屋敷で休んだ。

 魔王討伐を終え、日常に戻った朝を迎えた。

 メスリーとセーリと過ごしたかったが、王城に呼ばれた。

 謁見と言われ。

 しかも王城から迎えまでやって来ている。

 嫌だな。

 そんなことよりもメスリーと過ごしたいし、セーリを愛でたい。

 ハァ、貴族の義務だから行くしかないか。

 謁見に行くことをメスリーとセーリに伝えてから、迎えの馬車に乗り込んだ。

 迎えの馬車が王城に到着すると、相当数の使用人に出迎えていたのだ。

 す、凄いな。

 執事に案内され、謁見の間に通された。

 謁見の間には既に貴族達が待っていた。

 その中に私以外の勇者パーティーはいなかった。

 私は地面にひかれている絨毯の端まで歩き、片膝をついた。

 そして頭を下げた。

 「ベアード子爵。魔王討伐ご苦労。たった一人、いや、ベアード子爵の兄弟のベーア殿との戦いは本当に素晴らしいものだった。称賛に値する」

 「ありがとうございます」

 「うむ。褒美として、侯爵の位と領地を授ける。領地に関しては後で説明する」

 「謹んでお受けいたします」

 「では、ベアード侯爵。1週間後にパレードを行う。その後に夜会も開くので、準備を怠らないように」

 「承知しました」

 それで謁見は終わり、私は屋敷に帰った。

 屋敷に帰ったら、パレードの準備と夜会の準備も始めた。

 あっという間に、1週間が経ち、パレードの日になった。

 私は豪華な馬車に乗り込み、市民達に手を振っている。

 市民達は手を振りながら、歓声を上げている。

 パレードは無事に終わり、一旦私は屋敷に戻った。

 そこで夜会用の衣装に着替え、私が用意したドレスに着替えたセーリと一緒に馬車に乗り込んだ。

 王城に向かう前にナスーリ子爵家の屋敷に向かい、メスリーを迎えにいった。

 メスリーは私が用意したドレスに身を包んでいた。

 メスリーが馬車に乗り込んでから、王城に向かった。

 王城に到着したら、メスリーをエスコートしながら、夜会の会場に向かった。

 セーリはナスーリ子爵にエスコートして貰った。

 私達が入場すると、会場中の視線に晒された。

 予想していたことだが、凄いな。

 こんなにも視線に晒されると。

 私達は固まりながら、開始を待っていると、王族が入場してきた。

 国王陛下がグラスを持ち、上に上げた。

 「皆の者。今回の夜会の主役はではないが、乾杯の音頭をさせてもらう。では、乾杯だ」

 国王陛下の合図で、夜会が始まった。

 夜会が始まると、私達は貴族に囲まれた。

 魔王討伐した者と少しでも縁を持とうとして。

 中でも多かったのはセーリとの婚約の話だった。

 私と縁を結ぶなら、セーリとの婚約が1番だからな。

 そんな貴族達を上手い感じで躱した。

 貴族を躱した後、私はメスリーをエスコートして、ホールの中心に向かった。

 そこで音楽に合わせて、メスリーと踊った。

 メスリーと踊った後はセーリとも踊った。

 その後はメスリーとセーリと一緒に夜会を楽しんだ。

 無事に夜会を終えた。

 気になることは奇妙な視線を感じたことだ。

 その視線は私ではなく、メスリーに向いていた。

 メスリー自身は気付いて無かったが、明らかに向いていた。

 警戒はしておこう。

 後で聞いたことなんだが、私以外の勇者パーティーはあまりいい結末になったみたいだ。

 主人公以外は魔王殿から逃げたことで次期当主から外された。

 更に婚約も難しいことになっているようだ。

 敵を前に逃げたからみたいだ。

 そして主人公は実家から縁を切られ、指名手配された。

 罪状は私の殺人未遂だ。

 懸賞金も掛けられているようだ。

 ゲームの主人公なのに指名手配とは少し笑ってしまった。
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