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第十九話 出自
しおりを挟むナスーリ子爵家で、ナスーリ子爵とメスリーと夕食を取った。
楽しく会話をしながら、夕食を取った後は、風呂に入った。
風呂に入った後は紅茶を飲みながら、様々なことを話している。
その部屋には2人掛けのソファーが2つあり、ナスーリ子爵とメスリーは一緒に座り、私は1人でソファーに座っている。
話していると、突然ナスーリ子爵が真面目な表情を浮べた。
「レーク君、少しいいかね?」
「大丈夫ですよ、ナスーリ子爵」
メスリーと婚約しているので、ナスーリ子爵には名前で呼んで貰っている。
「ありがとう、レーク君。では、聞くがレーク君の出自を教えてくるれるか?」
メスリーは席から立ち上がり、ナスーリ子爵の方を向いた。
「お、お父様。そんなことを聞いてどうするの?」
私はメスリーの方を向いた。
「大丈夫だ、メスリー。いずれ、話さないといけないことだと思っていたから」
「レークがそう言うなら」
メスリーは渋々といった感じで席に座った。
私はナスーリ子爵の方を向いた。
「ナスーリ子爵。私が平民らしく無いと思っていたのですよね?」
ナスーリ子爵は頷いて答えてくれた。
「ナスーリ子爵、メスリー。私の出自は隣国の伯爵家の元長男です」
それにはナスーリ子爵とメスリーは驚いた表情を浮べていた。
「レ、レーク君。色々と聞きたいが、まず聞くのはどうしてそうなったのだ」
「魔法の適正の影響です」
「魔法の適正だと?そうか、レーク君はヤーワリ王国の出身か」
「ええ、そうです。ヤーワリ王国では未だに古い価値観が残っているので」
「え、えっと、レーク。古い価値観って?」
「簡単に言ってしまうと、魔法適正が全てだという価値観だよ。それで、私は火属性だけだった。でも、弟には3種類の属性を持っていた。そして、私の元両親は弟に爵位を譲るために私を森に捨てた」
ナスーリ子爵は驚きの表情を浮べ、メスリーは驚きの表情を浮べ両手で口をおさえた。
「森に捨てられた後はどうしていたのだ?」
「森に捨てられた後はサバイバルをしていました。森を出たのは1年前ぐらいです。なので、人生の半分くらいは森の中で過ごしていました」
ナスーリ子爵とメスリーは唖然としていた。
「メスリー。前に血の繋がってない兄弟が居ると言ったのを覚えている?」
「えっ、あ、うん。覚えているよ」
「その兄弟なんだが、実は人間では無いんだ」
「えっ、じゃあ何なの?」
「魔物だよ。A級の魔物、ジャイアントベアーだ。私の大事な兄弟だ」
「ま、魔物なの?」
「そうだ。そして私は兄弟のことをベーアと名付けて、森の中で一緒に過ごしていた」
「そうか、だから家名と家紋に熊が関係しているのか」
「その通りです、ナスーリ子爵」
メスリーはソファーから立ち上がり、私の隣に座った。
そしてメスリーは私の方を向いた。
「レーク。一緒に過ごしたひ、ううん、兄弟のベーアのことを教えてくれる?もっとレークのことが知りたいから」
メスリーは笑顔を浮べた。
「勿論だ」
私は時間が許す限りベーアのことを話した。
メスリーはその話を嬉しそうに聞いてくれた。
大切な兄弟のことを大切な婚約者が知ってくれて本当に嬉しかった。
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