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第二十三話 誓い
しおりを挟む悪魔の皇帝を倒した俺はアニスと共に帰還し、悪魔の皇帝を倒したことを報告しようとしたが、何故か知っていた。
アニスを自室のベッドに寝かせてから話を聞くと、どうやら俺達と悪魔の皇帝の戦いは空の映像に映し出されていたみたいだ。
悪魔の皇帝が流していたのか。
まぁ、説明する手間が省けてからいいか。
その後、俺は記者からの取材を受けることになってしまった。
前と同じ形式と前と同じ記者にアニスと共に取材に受けた。
その取材は全て雑誌に載せられた。
俺は魔法の詳細を。
アニスは自身の過去と祈りの力を。
俺はそこで初めてアニスの過去の詳細を知った。
俺とアニスの取材は大きな反響を呼んだ。
その影響で他の後処理に追われた。
ひと通りの後処理を終えた俺達はアニスの両親の元を訪れた。
アニスの墓参りを終えた後、俺とレリがアニスの両親に挨拶した。
それが終えてから、俺達はエクソシスト達の拠点に帰った。
これからだ。
凄く緊張するな。
当たり前か。
一世一代の告白だからな。
今日の夜にアニスを呼んでいる。
緊張しながら過ごしていると時が早く過ぎ、夜になってしまった。
呼んだのは俺の自室だったので、部屋で待っているとドアにノックされた。
入室の許可を出すとアニスが入ってきた。
「どうしたんですか?こんな夜更けに」
アニスは可愛らしく首を傾げていた。
「少し行きたい場所があって。長官には許可を取っている」
「そうなんですか。では、行きましょう」
そう言い、アニスは俺の方に右手を伸ばした。
俺はアニスの右手を握り、ヴァッサァヴァンデルソを唱え、ある場所に移動した。
到着したのは青色に輝く湖と空に浮かんでいる満月がよく見える場所だ。
「綺麗ですね」
そう言いながら、アニスはその景色に見惚れていた。
俺はその間に自分の懐を確認した。
よし、あるな。
これが無くては意味が無いからな。
俺は見惚れているアニスの名前を呼んだ。
アニスは俺の方を向いてくれた。
俺は懐から小さい箱を取り出し、片膝を地面に着けた。
「えっと、ハータさん。それは?」
「必要な物だ」
俺はそのまま小さい箱を開けると青色の宝石が埋め込まれた宝石が出て来た。
「そ、それは」
その指輪を見たアニスは両手で口元を押さえた。
「そうだ、アニス。これはアニスに贈るための指輪だ。だから、受け取って欲しい」
アニスは悲しそうな表情を浮かべていた。
「う、受け取れません」
「それはなんでだ?」
「私はハータさんのことを利用していたんです。とても聖女と呼ばれるような人間ではなく、最低な人間なんです。そ、それでもハータさんは私のことを受け入れてくれるのですか?」
「知っていたさ。ネックレスをプレゼントとした時から」
アニスは驚きの表情を浮かべていた。
「な、なんで分かったんですか?」
「プレゼントを貰って、あんな罪悪感が含まれた笑顔をみたら。その時、俺は思ったんだ。どうしたら、アニスに心の底から笑って貰えるかを」
俺はアニスの目を見た。
「だが、もう大丈夫の筈だ。アニスを苦しみ続けた存在はもう死んだ。だからもう大丈夫だ」
俺はアニスの瞳の奥を見た。
「最初はアニスのファーストキスを俺が奪ったから始まった関係だったが、俺はアニスのことを心の底から愛している。だから、この指輪を受け取ってくれ」
アニスは涙を流しながら、俺の方を向いてきた。
「はい、はい、こんな私で良ければ」
そう言い、アニスは指輪を受け取ってくれた。
「ありがとう、アニス」
そう言い、俺は立ち上がった。
俺が立ち上がると、アニスが少し顔を赤くしながら俺の方に左手を伸ばしていた。
俺は左手の薬指に指輪をつけた。
その指輪を見たアニスは嬉しそうに微笑んだ後、俺の方を向いた。
「ハータさん。こんな私を愛してくれてありがとうございました」
そう言い、アニスは笑顔を浮べた。
その笑顔は心の底から笑っていた。
ああ、やっと見れた。
心の底から笑っているアニスの姿を。
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