伯爵家の次男に転生しましたが、10歳で当主になってしまいました

竹桜

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第五十九話 暗殺者

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 長期休暇が終わり、3年の後期が始まった。

 あの後、バイヤル王国は第1王子のことを廃嫡にした。

 自国の問題を解決するために呼び出した他国の貴族の婚約者達を害しようとしたのだから当たり前だ。

 そして、戦士として失格のことをしたからだ。

 戦士が無防備な女性を狙うのは最もやってはいけないことみたいだ。

 俺に謝罪の文がやって来た。

 その謝罪の文には簡潔に返した。

 本音を言ってしまうとこれ以上関わって欲しくない。

 1度あったことはもう1度ある。

 それ以降、バイヤル王国は関わってくることは無かった。

 バイヤル王国の件が終わる頃には後期の半分が経っていた。

 今日は休日だ。

 リリア達が女子会をすると言っていたのでベンネット伯爵家の屋敷に行くことが出来ない。

 魔物狩りに行っても良いが、今日は別のことをしよう。

 そう考えた俺は街をぶらぶらすることにした。

 街をただぶらぶらしていた。

 たまにはいいな。

 街をぶらぶらしているとあることに気が付いた。

 誰かにつけられているのだ。

 俺は誘い込むために裏路地に入り、人気が無い広場に出た。

 すると、黒いフードを被った者達が急に姿を現したのだ。

 黒いフードを被った者達は何も言わずに短剣を抜き、俺に攻撃を仕掛けて来た。

 接近してくるスピードは早かった。

 魔法袋から魔銃を取り出すのは間に合わない。

 だが、知らないだろう。

 俺が新しい魔銃を手に入れ、装備していることを。

 そして、俺は懐から拳銃型の魔銃を取り出した。

 この魔銃はアカザに作ってもらった物だ。

 素材はバイヤル王国の依頼の変異種の魔獣だ。

 俺は狙いを定め、引き金を引いた。

 撃たれた魔力の塊は黒いフードを被った者達の体に吸い込まれた。

 俺の攻撃は確実に黒いフードを被った者達の命を次々と奪っていった。

 全員が血を流しながら、息絶えた。

 やはり、普通の魔銃よりは威力が弱いか。

 だから、対人間用だな。

 まぁ、今の状況には適しているが。

 殲滅した俺は魔銃を構えながら、黒いフードを被った者達の死体を調べた。

 死体からは暗器や毒などが出て来た。

 こいつら、暗殺者か。

 俺のことを暗殺しようとしたのか。

 一体、誰が?

 俺のことに嫉妬している奴か?

 いや、待てよ。

 1人だけ心辺りがある。

 だが、確証が無い。

 一応、調べておくか。

 俺はランガン侯爵家の力と商人バルハナの力と冒険者レックスの力を使って、調べ始めた。

 1週間もすれば、情報が集まった。

 俺の予想通りだった。

 俺に暗殺の依頼を頼んだのはリリアに求婚していた侯爵家の長男、いや、今は当主か。

 証拠として暗殺ギルドに入っていく姿がある。

 訴えて、消しておくか。
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