伯爵家の次男に転生しましたが、10歳で当主になってしまいました

竹桜

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第四十八話 留学

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 2年目の後期が終わる1ヶ月前に留学のお知らせがやってきたのだ。

 今回、留学するのはバレナ王国だ。

 俺は少し憂鬱だった。

 ハァ、まさかまた関係を持つなんて。

 今回、留学する途中にある侯爵家に泊まることになっている。

 その侯爵家はクソ兄の元婚約者の実家だ。

 ちなみに、クソ兄の元婚約者は幼馴染と婚約したらしい。

 まぁ、侯爵家にはランガン侯爵家は敵視されているがな。

 こればっかりはしょうがないなよな。

 そんなことを考えながら、配られた資料を見ているとシアナが不思議そうな表情を浮かべていた。
 
 「ビリー、なんで、そんな顔を、しているの?」

 「うん?ああ、少しあの件がな」

 「あの件?」

 そうか、シアナはあのことを知らないのか。

 シアナはこことは違う大陸の出身だからな。

 俺が当主になった経緯を知らないのも無理はない。

 俺はシアナに俺が10歳で当主になった経緯を説明したのだ。

 それを聞いたシアナは納得してくれた。

 まぁ、侯爵家の敵意は俺に来るはいいがリリア達にはきて欲しくないな。

 このことはやんわりと伝えておくか。

 教師達に。

 いや、教師達は俺がランガン侯爵ということは知っているから問題無いだろう。

 1ヶ月は直ぐに経ち、当日になったのだ。

 王立学院の貸し出してくれる馬車で行くことも出来るが、自分の所持している馬車も使うことが出来る。

 だから、俺は魔導馬車と魔導馬に出し、それに、リリア達と一緒に乗り込んだ。

 周りの生徒達と先生達は驚きの表情を浮かべていた。

 魔導馬車の速度は他の馬車に合わせて、王都に向かった。

 1週間後に王都に到着した。

 到着した王立学院の者達は貴族学院で交流を図るのだが、俺はそれが出来ない。

 貴族学園が社交界に入るからだ。

 その後、歓迎パーティーもあったらしいが勿論俺は参加できない。

 俺が歓迎パーティーが終わるまで用意された部屋で1人で待っているとリリア達がやって来た。

 「リリア、エレネ、シアナ、歓迎パーティーは良いのか?」

 「良いんです。ビリーが参加出来ませんから」

 そう言いながら、リリアが微笑んだのだ。

 そして、微笑みながら、エレネとシアナも頷いた。

 俺はこんな婚約者達が居てくれて、本当に良かった。

 その後、俺達は紅茶を飲みながら、歓迎パーティーが終わるのを待っていた。

 王都の観光などは出来たので、リリア達と一緒に観光を楽しんでいた。

 王都には1週間滞在し、王立学院に向けて、馬車が出発した。

 王都を出て、4日後にはあの侯爵家に到着したのだ。

 さて、何が起きるかな。

 
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