25 / 69
第二十五話 第2夫人問題
しおりを挟む侯爵に上がったのは良かったんだけど1つ問題が起きた。
それは第2夫人問題だ。
魔族というのは戦闘能力が高い。
まず、普通の一般人には到底倒せない。
普通の魔族でもその強さなのだ。
俺が今回倒した魔族は高位魔族と言い、魔族の中でもトップレベルの強さを持っている。
高位魔族を倒せる人間なんて各国に1人いるかどうかぐらいの人数だろう。
しかも俺は無傷で倒した。
そんな人はいないのだ。
そんな高位魔族を倒した俺の血を多く残すため、国王から第2夫人を娶れと命令が来た。
結局は優秀な血を残すため、妻を1人増やせという話だ。
リリアは伯爵家の令嬢だから、リリアよりも下の爵位でなおかつリリアと仲が良い令嬢が理想的だ。
そう考えているとエレネの姿が頭に浮かんだのだ。
な、何を考えているんだ俺はエレネはとても良い子だ。
俺の第2夫人では無く俺と違うエレネだけを愛してくれる人の方がいいに決まっている。
取り敢えず、このことをリリア達に話すか。
俺は転移魔法を使い、ベンネット伯爵家の屋敷に向かった。
リリアとエレネとベンネット伯爵を応接室に集め、侯爵になったことと国王陛下から第2夫人を娶れという王命を受けたことを話した。
その話を聞いたリリアは嬉しさと驚きが混ざった表情を浮かべていた。
ベンネット伯爵は頭を抱えていた。
エレネは何故か顔を下に向けていた。
俺はゲナバに用事があるので3人に少し用事があるので一旦席を外すことを伝え、転移魔法を使用し領地の屋敷に向かった。
執務室には机に向かってゲナバが計画を練っていた。
「うん?ビリーか。いきなりどうしたんだ?」
「ああ、お前に伝えたいことがあって」
「何だ?」
「俺が侯爵に上がった報告と代官が平民だと色々と問題が起きるからゲナバが男爵に上がったことを伝えに来た」
「ふーん、そうか」
そう言いながら、ゲナバは興味なそうな表情を浮かべていた。
「興味なさそうだな。まぁ、分かりきっていたけどな」
「それはそうだろう。俺は領地を発展させたいただけだ。俺の意見を取り入れてくれたお前のな」
「そうか。じゃあ、これからもよろしくな、ゲナバ」
それを聞いたゲナバは椅子から立ち上がり、私の方を向いてきたのだ。
そして、姿勢を正し、右手を胸に置き、綺麗に頭を下げたのだ。
「私の方こそ、よろしく頼むぞ、ビリー。いや、ランガン侯爵」
その後、ゲナバと領地に関する打ち合わせと書類処理をしていると夕方になっていたのだ。
俺はゲナバに一声掛け、転移魔法を使用し、ベンネット伯爵家の屋敷に帰った。
75
お気に入りに追加
2,419
あなたにおすすめの小説

荷物持ちだけど最強です、空間魔法でラクラク発明
まったりー
ファンタジー
主人公はダンジョンに向かう冒険者の荷物を持つポーターと言う職業、その職業に必須の収納魔法を持っていないことで悲惨な毎日を過ごしていました。
そんなある時仕事中に前世の記憶がよみがえり、ステータスを確認するとユニークスキルを持っていました。
その中に前世で好きだったゲームに似た空間魔法があり街づくりを始めます、そしてそこから人生が思わぬ方向に変わります。

劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?
はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、
強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。
母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、
その少年に、突然の困難が立ちはだかる。
理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。
一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。
それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。
そんな少年の物語。

子爵家の長男ですが魔法適性が皆無だったので孤児院に預けられました。変化魔法があれば魔法適性なんて無くても無問題!
八神
ファンタジー
主人公『リデック・ゼルハイト』は子爵家の長男として産まれたが、検査によって『魔法適性が一切無い』と判明したため父親である当主の判断で孤児院に預けられた。
『魔法適性』とは読んで字のごとく魔法を扱う適性である。
魔力を持つ人間には差はあれど基本的にみんな生まれつき様々な属性の魔法適性が備わっている。
しかし例外というのはどの世界にも存在し、魔力を持つ人間の中にもごく稀に魔法適性が全くない状態で産まれてくる人も…
そんな主人公、リデックが5歳になったある日…ふと前世の記憶を思い出し、魔法適性に関係の無い変化魔法に目をつける。
しかしその魔法は『魔物に変身する』というもので人々からはあまり好意的に思われていない魔法だった。
…はたして主人公の運命やいかに…

異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。
sou
ファンタジー
蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。
目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。
「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」
これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。
なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。

【書籍化決定】俗世から離れてのんびり暮らしていたおっさんなのに、俺が書の守護者って何かの間違いじゃないですか?
歩く魚
ファンタジー
幼い頃に迫害され、一人孤独に山で暮らすようになったジオ・プライム。
それから数十年が経ち、気づけば38歳。
のんびりとした生活はこの上ない幸せで満たされていた。
しかしーー
「も、もう一度聞いて良いですか? ジオ・プライムさん、あなたはこの死の山に二十五年間も住んでいるんですか?」
突然の来訪者によると、この山は人間が住める山ではなく、彼は世間では「書の守護者」と呼ばれ都市伝説のような存在になっていた。
これは、自分のことを弱いと勘違いしているダジャレ好きのおっさんが、人々を導き、温かさを思い出す物語。
※書籍化のため更新をストップします。

異世界遺跡巡り ~ロマンを求めて異世界冒険~
小狸日
ファンタジー
交通事故に巻き込まれて、異世界に転移した拓(タク)と浩司(コウジ)
そこは、剣と魔法の世界だった。
2千年以上昔の勇者の物語、そこに出てくる勇者の遺産。
新しい世界で遺跡探検と異世界料理を楽しもうと思っていたのだが・・・
気に入らない異世界の常識に小さな喧嘩を売ることにした。
異世界転生~チート魔法でスローライフ
玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。
43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。
その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」
大型連休を利用して、
穴場スポットへやってきた!
テントを建て、BBQコンロに
テーブル等用意して……。
近くの川まで散歩しに来たら、
何やら動物か?の気配が……
木の影からこっそり覗くとそこには……
キラキラと光注ぐように発光した
「え!オオカミ!」
3メートルはありそうな巨大なオオカミが!!
急いでテントまで戻ってくると
「え!ここどこだ??」
都会の生活に疲れた主人公が、
異世界へ転生して 冒険者になって
魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。
恋愛は多分ありません。
基本スローライフを目指してます(笑)
※挿絵有りますが、自作です。
無断転載はしてません。
イラストは、あくまで私のイメージです
※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが
少し趣向を変えて、
若干ですが恋愛有りになります。
※カクヨム、なろうでも公開しています

S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります
内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品]
冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた!
物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。
職人ギルドから追放された美少女ソフィア。
逃亡中の魔法使いノエル。
騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。
彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。
カクヨムにて完結済み。
( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる