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第十三話 王都に
しおりを挟む前期も終わり、ベンネット伯爵家でリリアと一緒にお茶しているとベンネット伯爵がやってきた。
ベンネット伯爵からリリアと一緒に俺の国の王都に行って欲しいと頼まれた。
訳を聞くと将来リリアはランガン伯爵家に嫁ぐので、王都を今の内に知っておいた方が良いという話だった。
リリアとのお茶会を終えた後、俺は王都に行く準備を整えることにした。
俺は転移魔法を使い、アカザのところに向かった。
アカザに俺は希望するものを全て伝えた。
すると、アカザはニヤリと笑い、面白いと呟いたのだ。
俺はアカザと一緒に試行錯誤しながら、魔法具の作成を開始した。
その魔法具は半日が経ってようやく完成した。
作り終えた後にもう2つ別の魔法具が必要だとわかり、それも試行錯誤しながら作っていると6時間も使ってしまった。
だが、完璧な完成度だ。
これなら何も問題無い。
俺はアカザに礼を言い、代金を払おうとすると止められた。
アカザは素材はビリー持ちで面白い魔法具を作れたから良いと言われた。
俺は改めてアカザに礼を言い、転移魔法で家に帰った。
帰ってから直ぐに寝た。
起きたら昼過ぎだった。
風呂に入り、身支度を整えてからベンネット伯爵家の屋敷に向かった。
屋敷の庭には準備を終えたリリアとベンネット伯爵がいた。
俺はその2人を呼び、昨日完成した魔法具をお披露目することにした。
2人は固まってしまった。
それはそうだろう。
今回作ったのは魔導馬車と魔導馬だからな。
多分だが、これぐらいの馬車を持っているのは大国の国王だけだろう。
俺は固まっている2人に声を掛け、馬車の中を案内した。
馬車の中は空間拡張して10人ぐらいが過ごせるようにしている。
しかもこの馬車の中には生活に必要な施設が揃っている。
そのことをリリアとベンネット伯爵に説明すると絶句してしまった。
「ビ、ビリー君、この魔導馬車はなんなんだ?」
「魔導馬車ですよ。中は拡張魔法で広げてますけど。知り合いと試行錯誤していたら、こんなものが出来ました」
ベンネット伯爵は頭を抱えながらそうかと短く答えた。
どうやら、リリアは昨日から準備していたようで荷物は既に纏まっていた。
ベンネット伯爵家の使用人達が魔導馬車に荷物を載せている間に乗せる人を確認した。
リリアはリリア付きの侍女だけだった。
俺は1人だから。
結構持て余してしまうな。
まぁ、これは後でだな。
リリアとリリア付きの侍女の荷物を載せ終わったら、リリアのことをエスコートして、魔導馬車に乗った。
その後、リリアの付きの侍女を乗せ、魔導馬車を出した。
この魔導馬車の中には風呂もトイレも入っているため、止まらずに進むことが出来るため、1週間の道のりが3日程で到着することが出来る。
そして、この魔導馬車を引いているのは魔導馬なので馬の休憩も必要無いことも関係しているけど。
一応、この魔導馬車と魔導馬には武装をつけている。
魔導馬には突破用の槍と蹴散らす用の魔銃と魔導馬車には魔銃が装備されている。
これならどんな魔物が来ようがどんな盗賊が来ようが問題無いだろう。
実際、王都に向かっている途中に何度か襲撃があったが近付く前に全て倒したので、リリアには気づかれていない。
そのまま、俺達は予定通りに王都に到着した。
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