10 / 69
第十話 秘密の共有
しおりを挟むリリアが隣国に帰ってから1ヶ月が経った。
夜は基本的にリリアと会話をする。
たまにベンネット伯爵と会話をすることもある。
だが、ここ最近リリアが寂しそうにしていた。
ベンネット伯爵家の屋敷に行くか。
俺は転移魔法が使える。
婚約者に寂しい思いはさせたくない。
リリアとベンネット伯爵は信用している。
だから、転移魔法のことを知らさせても大丈夫だろう。
俺は転移魔法を使い、ベンネット伯爵家の屋敷の近くに移動した。
そして、俺はベンネット伯爵家の屋敷に行き、門番に自分の身分と名前を伝え、いきなり来た謝罪とベンネット伯爵を呼んでもらった。
5分ぐらいでベンネット伯爵とリリアが門までやってきた。
そのまま、俺は応接室に通された。
「ビリー君。いきなり来て、驚いたよ」
「すいません、驚かせたくて」
挨拶を終わった後、ベンネット伯爵に人払いをお願いした。
ベンネット伯爵は使用人達に指示をした。
使用人達は指示に従い、応接室から出ていった。
応接室には俺とリリアとベンネット伯爵だけになった。
「人払いをしたが、そんな大事な話なのかな?」
「ええ、大事な話です。私の秘密に関してです」
秘密と聞いて、リリアとベンネット伯爵は息を呑んだ。
「このことは他言無用でお願いします。私は転移魔法が使えます」
その発言にリリアとベンネット伯爵は固まってしまった。
それはそうだ。
転移魔法が使える人材なんて、国に1人いるかどうかぐらいだ。
固まっている2人に俺はある提案をした。
待ち合わせの場所を決め、俺がそこに転移魔法でいくというものだ。
その提案はリリアが嬉しそうな表情を浮かべながら、了承してくれた。
「リリアが良いなら、私は構わないがビリー君。1つだけアドバイスをしたい」
「アドバイスとは?」
「転移魔法を公に使えるようにしたほうがいい」
「それはなぜですか?」
「緊急時のためだ。例えば、転移石を発動した時と同じような動作をする形だけの転移石を作るとか」
転移石は使用すると一瞬光り、砕け散ってから目的の場所に転移することが出来る。
ちなみに、転移魔法と転移石は1度行ったことがある場所にしか行けない。
だが、行ったことが無い場所でもその場所に関する情報があれば、転移することが出来る。
その後はリリアとベンネット伯爵と会話をしてから転移魔法を使って、アカザのところに向かった。
アカザに転移石と全く同じ見た目で一瞬光り、砕けるだけの魔法具を大量に頼んだ。
アカザはその注文を数分で終えた。
俺はアカザに礼を言い、金を渡して、屋敷に戻った。
65
お気に入りに追加
2,420
あなたにおすすめの小説

異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。
sou
ファンタジー
蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。
目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。
「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」
これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。
なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。

荷物持ちだけど最強です、空間魔法でラクラク発明
まったりー
ファンタジー
主人公はダンジョンに向かう冒険者の荷物を持つポーターと言う職業、その職業に必須の収納魔法を持っていないことで悲惨な毎日を過ごしていました。
そんなある時仕事中に前世の記憶がよみがえり、ステータスを確認するとユニークスキルを持っていました。
その中に前世で好きだったゲームに似た空間魔法があり街づくりを始めます、そしてそこから人生が思わぬ方向に変わります。
レベルが上がらない【無駄骨】スキルのせいで両親に殺されかけたむっつりスケベがスキルを奪って世界を救う話。
玉ねぎサーモン
ファンタジー
絶望スキル× 害悪スキル=限界突破のユニークスキル…!?
成長できない主人公と存在するだけで周りを傷つける美少女が出会ったら、激レアユニークスキルに!
故郷を魔王に滅ぼされたむっつりスケベな主人公。
この世界ではおよそ1000人に1人がスキルを覚醒する。
持てるスキルは人によって決まっており、1つから最大5つまで。
主人公のロックは世界最高5つのスキルを持てるため将来を期待されたが、覚醒したのはハズレスキルばかり。レベルアップ時のステータス上昇値が半減する「成長抑制」を覚えたかと思えば、その次には経験値が一切入らなくなる「無駄骨」…。
期待を裏切ったため育ての親に殺されかける。
その後最高レア度のユニークスキル「スキルスナッチ」スキルを覚醒。
仲間と出会いさらに強力なユニークスキルを手に入れて世界最強へ…!?
美少女たちと冒険する主人公は、仇をとり、故郷を取り戻すことができるのか。
この作品はカクヨム・小説家になろう・Youtubeにも掲載しています。


異世界で魔法が使えるなんて幻想だった!〜街を追われたので馬車を改造して車中泊します!〜え、魔力持ってるじゃんて?違います、電力です!
あるちゃいる
ファンタジー
山菜を採りに山へ入ると運悪く猪に遭遇し、慌てて逃げると崖から落ちて意識を失った。
気が付いたら山だった場所は平坦な森で、落ちたはずの崖も無かった。
不思議に思ったが、理由はすぐに判明した。
どうやら農作業中の外国人に助けられたようだ。
その外国人は背中に背負子と鍬を背負っていたからきっと近所の農家の人なのだろう。意外と流暢な日本語を話す。が、言葉の意味はあまり理解してないらしく、『県道は何処か?』と聞いても首を傾げていた。
『道は何処にありますか?』と言ったら、漸く理解したのか案内してくれるというので着いていく。
が、行けども行けどもどんどん森は深くなり、不審に思い始めた頃に少し開けた場所に出た。
そこは農具でも置いてる場所なのかボロ小屋が数軒建っていて、外国人さんが大声で叫ぶと、人が十数人ゾロゾロと小屋から出てきて、俺の周りを囲む。
そして何故か縄で手足を縛られて大八車に転がされ……。
⚠️超絶不定期更新⚠️

無能と呼ばれたレベル0の転生者は、効果がチートだったスキル限界突破の力で最強を目指す
紅月シン
ファンタジー
七歳の誕生日を迎えたその日に、レオン・ハーヴェイの全ては一変することになった。
才能限界0。
それが、その日レオンという少年に下されたその身の価値であった。
レベルが存在するその世界で、才能限界とはレベルの成長限界を意味する。
つまりは、レベルが0のまま一生変わらない――未来永劫一般人であることが確定してしまったのだ。
だがそんなことは、レオンにはどうでもいいことでもあった。
その結果として実家の公爵家を追放されたことも。
同日に前世の記憶を思い出したことも。
一つの出会いに比べれば、全ては些事に過ぎなかったからだ。
その出会いの果てに誓いを立てた少年は、その世界で役立たずとされているものに目を付ける。
スキル。
そして、自らのスキルである限界突破。
やがてそのスキルの意味を理解した時、少年は誓いを果たすため、世界最強を目指すことを決意するのであった。
※小説家になろう様にも投稿しています

転生者は力を隠して荷役をしていたが、勇者パーティーに裏切られて生贄にされる。
克全
ファンタジー
第6回カクヨムWeb小説コンテスト中間選考通過作
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。
2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門日間ランキング51位
2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門週間ランキング52位

【書籍化決定】俗世から離れてのんびり暮らしていたおっさんなのに、俺が書の守護者って何かの間違いじゃないですか?
歩く魚
ファンタジー
幼い頃に迫害され、一人孤独に山で暮らすようになったジオ・プライム。
それから数十年が経ち、気づけば38歳。
のんびりとした生活はこの上ない幸せで満たされていた。
しかしーー
「も、もう一度聞いて良いですか? ジオ・プライムさん、あなたはこの死の山に二十五年間も住んでいるんですか?」
突然の来訪者によると、この山は人間が住める山ではなく、彼は世間では「書の守護者」と呼ばれ都市伝説のような存在になっていた。
これは、自分のことを弱いと勘違いしているダジャレ好きのおっさんが、人々を導き、温かさを思い出す物語。
※書籍化のため更新をストップします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる