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第九話 プレゼント
しおりを挟む俺は自室で日が変わるまで、本を読んでいた。
屋敷の中が静まり返っているのを確認してから転移魔法を使い、移動した。
移動した場所はアカザが住んでいる塔だ。
アカザは研究バカのため、朝夜逆転している。
俺はアカザに魔法具を頼んだ。
アガサに朝方まで掛かると言われた。
俺はアカザに頼み、屋敷に戻った。
魔法具が出来るまで俺は寝ることにした。
朝方に起き、転移魔法でアカザの元に行き、出来た魔法具を受け取った。
アカザに魔物の素材と金を渡し、屋敷に戻った。
屋敷に戻ると朝食まで時間があるので、素振りを始めた。
朝食の少し前に自室に戻り、体を綺麗にしてから、食堂に向かった。
朝食を2人と一緒に食べた。
朝食を食べ後、リリアは荷物を纏めて、出発の準備をしていた。
俺は出発の準備が終わってから2人を呼んだ。
「渡したいものって、なんなの?」
「これだよ」
そう言い、魔法袋からあるものを出した。
それを見た2人は驚いた表情を浮かべていた。
2人が驚いた表情を浮かべていたのは魔法馬車
魔導馬車はとても高価で王族や一部の上位貴族しか持っていないものだ。
「ま、待ってくれ、ビリー君。流石に、これは、高価すぎて受け取れない」
そう言い、ベンネット伯爵が断ってきた。
「気にしないで下さい。この魔導馬車は、友人の魔道具職人に作って貰ったものですから。お金は、掛かってません」
その言葉にベンネット伯爵は絶句していた。
「乗ってきた馬車は、この魔法袋に入れて下さい」
そう言いながら、ベンネット伯爵に魔導馬車を入れていた魔法袋を手渡した。
「こ、この魔法袋はどれぐらいの大きさが入るのだ?」
「そうですね、普通の一軒家ぐらいは、入りますよ」
その答えを聞き、ベンネット伯爵は固まってしまった。
それもそうだ。
魔導馬車とこの魔法袋だけで王都で1つの屋敷が建つほどの値段になるからだ。
一旦固まっているベンネット伯爵から視線を外し、リリアの方を向いた。
「リリアには、これを」
そう言いながら、紫色の宝石が埋め込まれているネックレス型の魔法具を出した。
このネックレス型の魔法具を見たリリアは嬉しそうな表情を浮かべていた。
この世界では婚約した証として、相手の瞳の色のネックレスを送るのが習慣になっている。
「ありがとう、ビリー。私、嬉しい」
そう言いながら、リリアは微笑んでいたのだ。
「喜んで貰えて良かったよ。後、これを」
そう言いながら、水晶玉を取り出し、リリアに渡した。
「これは?」
「これは遠くからでもこの水晶玉を通して、話すことが出来る魔法具だよ。リリアは隣国に住んでいるから、会える機会が少なくなると思って」
「ビリー、ありがとう」
そう言いながら、リリアは俺に抱き着いてきた。
俺はそんなリリアを抱きしめ返した。
リリアと抱き着いているとベンネット伯爵が動き出し、俺とリリアを引き剥がした。
その後は俺がプレゼントとした魔導馬車を使って、ベンネット伯爵とリリアは隣国に帰っていった。
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