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第五十一話 見知らぬ武器
しおりを挟むバスが宿に到着し、私達はバスから降りる。
その後、私が宿で過ごしていると消灯時間になったので、布団の中に入る。
私は疲れたのか分からないが、直ぐに寝てしまう。
だが、夜中に喉が乾いたしまったので起きてしまったのだ。
布団の近くに置いてあったペットボトルの水を飲んだ後、寝ようとするといきなり携帯がなる。
携帯を確認すると詩花からメッセージが来ていたのだ。
しかもそのメッセージは出来るだけ早く来て欲しいと書かれている。
直ぐにではなく、早くか。
緊急性が高いなら直ぐにと言うはずだ。
私が京都に来ていることは知っているから、何か用事があるのだろう。
なら、宿を抜け出して向かうか。
私は窓を開けて、3階から飛び降りる。
上手く地面に着地し、宿を抜け出す。
宿を抜け出すと外には迎えの車が外に待機している。
私がその車に近付くと、後部座席のドアが開いたので、そこに乗り込んだ。
私が車に乗り込むとドアがしまり、走り始める。
あいも変わらず、窓はカーテンで閉められている。
暫く走っていると急にスピードが落ち、やがて止まったのだ。
車が止まったらドアが開いたので、車から降りる。
降りた場所はまた地下駐車場だ。
多分、ここが院の京都支部なんだろう。
そんなことを思っていると詩花と詩花の父親が奥のドアからやってくる。
私は2人に案内され、個室に通されたのだ。
その個室の机の上には奇妙な物が置かれている。
いや、違うな。
物ではなく、武器だな。
「樹様。こちらの武器達を知っていますか?」
「手に持っても?」
詩花は頷いて答えてくれる。
私は1番近くに置いてあった武器をとってみる。
ファンタジー的な形をしていて、どうゆう武器なのかも分からない。
よくよく観察してみるとあるものを見つける。
こ、この文字見たことがあるぞ。
確か、薬中らしき者達が持っていた薬に書かれていたあの文字だ。
言語理解を持っているのに分からないあの文字。
「武器は知らないが、この文字は見たことがある」
「それはどこでですか?」
「高校でだ。校舎裏で」
「そこまで広がっていたなんて」
「広がっている?」
「はい」
そう答えた詩花は机の上に置かれている武器達の方を向く。
「この武器達は闇の武器商人という者から購入した者達から没収したものです。しかもこれは京都だけではなく、他の県でも発見されています」
他の県でもか。
そんなに広がっているのか。
だとしても私にはどうしようも出来ない。
「樹様。後は私達の仕事なので、宿に戻ってもらっても大丈夫です」
「そうだ。1つ詩花に聞きたいことがあったんだ」
「わたくしにですか?」
「ああ。津島神社って知っているか?」
「知っていますよ」
「それは何処にあるんだ?」
詩花は不思議そうな表情を浮かべていたが、答えてくれる。
「えっと、宮城県と愛知県にあります。宮城県の津島神社は縁結びとして結構有名です。ですが、どうしてその神社のことを?」
「信じられないと思うが、その津島神社が家の近くにあるんだ」
「埼玉県にですか?」
私は頷いて答えると詩花と詩花の父親は驚きの表情を浮かべている。
縁結びか。
確かに縁を結んでいるな。
異世界人のラナとノルウェー人のリーヴと。
そして、今日も私の前に現れたのだ。
陰陽師の詩花との縁結びか。
どうやら、私は異世界に行く前からファンタジーに巻き込まれていたようだ。
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