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第四十八話 返事
しおりを挟む朝起きた私は身支度を整え、家を出る。
家を出た私が到着したのはリーヴの家だ。
リーヴの家のチャイムを鳴らすとおめかししたリーヴが出迎えてくれる。
おめかししたリーヴのことをとても可愛いと思ってしまう。
どうして、私はリーヴの好意に気付かなかったのか?
そんなことを思いながら、私はリーヴの家の中に入る。
私が席に座るとリーヴは紅茶と茶菓子を持ってきてくれた。
それらを私とリーヴの前に置くとリーヴは私の正面の席に座る。
時計の音だけが聞こえてくる。
どちらも紅茶と茶菓子に手を付けることはない。
沈黙が続いている間、リーヴはずっとソワソワしている。
その間に覚悟を決めた私は大きく深呼吸をしてから、リーヴの方、いや、リーヴの目を見る。
「リーヴ。今から告白の返事をさせてもらう」
「は、はい」
リーヴの表情は緊張にかわり、息を呑んでいる。
私は席から立ち上がり、リーヴの側まで移動してから、片膝立ちをしリーヴの方を向く。
そして、私はリーヴの方に右手を伸ばす。
「リーヴ。私の婚約者になって欲しい。貴方の気持ちに気づけなかった鈍感な私で良ければ、この手を取ってくれ」
リーヴは涙を流しながら何度も何度も頷いて、私の右手をとってくれる。
「はい、はい、私は樹さんの婚約者になります」
「ありがとう、リーヴ」
私が立ち上がるとリーヴは私の胸に飛び込んでくる。
驚いた私だが、リーヴのことを抱きしめる。
「樹さん。私のことを受け入れてくれてありがとうございました」
「こちらこそ」
その後、リーヴと少し話してからリーヴの家を後にする。
リーヴの家を出た私はある場所に向かう。
到着した場所は私の家の近くの料亭だ。
女将に山木と伝えると個室に案内される。
個室の中には着物に身を包んだ詩花が綺麗な正座をしながら待っていてくれたのだ。
「待たせてすまない、詩花」
「いえ、大丈夫です。その間に心の準備が出来ましたから」
詩花は私の方に体を向けてくる。
「樹様。是非、お返事をお聞かせて下さい」
詩花は私の目を見てくる。
私は詩花の目を見ながら、詩花の前で出来るだけ綺麗に正座し、詩花の方に右手を伸ばす。
「私との婚約は政略的な意味合いがあると思うが、私の返事はそれとは全く関係ない」
私は詩花の瞳の奥を見る。
「詩花。歳は6歳ぐらい離れているが、私の婚約者になってくれるか?」
詩花は口元の辺りを両手で押さえた後、顔を真っ赤にしながら詩花の小さい右手は私が差し出した右手を握ってくれる。
「不束者ですが、どうかよろしくお願い致します。樹様」
私の告白を受け入れてくれた詩花は微笑んでくれる。
その微笑みはとても嬉しそうだった。
「ありがとう、詩花」
私が立ち上がると隣の襖が開き、満足したような表情を浮かべた詩花の父親が入ってくる。
どうやら隣にいたようだ。
その後、詩花と詩花の父親と話す。
話していると1つのことを思い出したので、伝えることにする。
「そうだ。ラナとリーヴと話し合って、結婚式は詩花は高校を卒業したら挙げることに決めたんだ」
「それは何故で御座いましょうか?」
「結婚式を挙げるなら3人一緒にと意見が一致したんだ。だから、結婚式は8年後になる」
「8年後ですか。でしたら、今から8年後が楽しみです」
詩花は満面な笑みを浮かべていたのだ。
思わず私は見惚れてしまう。
この日、私は美少女2人に告白の返事をした。
その結果、私には3人の可愛い婚約者が出来た。
私は何が何でも彼女達を守ろう。
私の大切な存在となった彼女達を。
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