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第ニ話 裏ボス
しおりを挟むいつもと同じように勉学に励んでいると、爆発音が聞えたのだ。
自然と視線は爆発音がした方に向けられる。
もしかして。
ある疑問を胸に向いたが、それは正解だった、
おいおい、馬鹿なのか?
このゲームの裏ボスを復活させるなんて。
いや、違うな。
立ち向かうとしているところを見るに慢心したのだな。
倒せると。
だが、それは無理だ。
主人公は斬りかかり、ヒロインは魔法を放ったが、効くことは無かった。
裏ボスが尻尾を振るだけで主人公達は為す術なく吹き飛ばされたのだ。
当たり前だ。
全てのイベントをクリアした後ならな。
裏ボス、憎悪の根源。
姿はドラゴンだが、普通のドラゴンとは比較にならないような力を持っている。
そんな力を持っているのに裏ボスには厄介な特性を持っているのだ。
その特性は反転。
反転はレベルの高い攻撃の威力は弱くなり、レベルが低い攻撃の威力が高くなる。
更に厄介なのはただレベル低い攻撃では硬い鱗に弾かれる。
つまり、攻略法はレベルが低く、何かの技能が高くなければいけない。
ゲームの時は1つのミスでゲームオーバーになる。
鬼畜の難易度だ。
この2つを満たす者は殆どいないだろう。
魔物を倒さず、鍛錬だけをしている者なんてな。
だが、1人だけいる。
それは私だ。
授業で必要な時は倒したが、その以外では倒したことがない。
そして、剣の鍛錬だけは続けている。
仕方ない。
やるか。
死にたくないからな。
そう思い、私は剣を3本拝借し、走ったのだ。
破壊行動をしている裏ボスの元に。
徹底的に破壊しているな。
そうそう、ゲームオーバーになるとそのままバッドエンドに突入する。
崩壊した世界というエンドに。
全て荒れ果てた世界で憎悪の根源がただ立ち尽くしている。
それは何処か悲しそうで満足そうだった。
私は何度もそのエンドを見てきたのだ。
数えるのが馬鹿になりそうな程。
故に攻略法を独自に編み出すことに成功したのだ。
勿論、不安要素はある。
編み出した攻略法はゲームの中のものだ。
だか、これは現実。
いくら、ゲームの中に転生したとしてもな。
不安要素を振り払うように私は両手で頬を強く叩いたのだ。
信じろ。
青春を全てを無駄にし、無価値だと思いながらも汗水たらしてたどり着いた攻略法を。
短い人生の中で達成感を1番感じ、この世界に生きた証と確信出来た攻略法を。
あった筈の将来に何も役に立たなく、誰も得することがない攻略法を。
前世の私が文字通り命を掛けた攻略法を。
ただ、信じろ。
信じて戦え。
そして、証明しろ。
無駄では無かったと。
来世での備えだと。
いくぞ。
裏ボスよ。
そう言えば、勝敗を覚えていたな。
35678戦、敗北17839、勝利17839。
引き分けだった。
初めて、勝ち越させてもらうぞ。
憎悪の根源よ。
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