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第一話 転生
しおりを挟む私は転生した。
あるゲームの中で主人公を裏切るキャラに。
そのキャラの名前はターカ・グラーサ。
このキャラが裏切るのは様々な理由がある。
だが、大きく挙げられる理由は両親の死だ。
だが、そのキャラに転生した私は既存のストーリーを曲げることにした。
本来なら間違っているのだろう。
だが、無理に決まっている。
転生した私を育ててくれた両親を見捨てるなんて。
だから、私はゲームの知識をいかし、救ったのだ。
救った結果、両親は今も生きている。
そして、私は15歳になり、ゲーム開始の歳を迎えている。
ゲームの舞台である貴族学園は王都にある。
そして、貴族学園は15歳から18歳の貴族が通うのが、義務となっている。
だから、私は王都に向かう。
向かう前に両親は私を見送ってくれたが、また言われてしまった。
婚約者を作ってこいと。
確かにこの歳でいないのは心配になるだろう。
普通の貴族なら貴族学園前には婚約者がいるからな。
まぁ、大体その婚約は政略的な側面が強い。
両親はあまり欲がないから、私に婚約者を決めるように任せている。
恋愛結婚だったからな。
私の両親は。
だから、私が一生涯愛せる人と幸せになって欲しいのだろう。
それから私は王都に到着し、貴族学園に入学したのだ。
入学式の時に見つけた。
ゲームの主人公を。
そして、主人公の隣にヒロインも。
やっぱり、ゲームの中なのだな。
まぁ、私には関係ないことだ。
既に要素が無くなり、裏切りキャラで無くなった私には。
それからゲームと同じようにイベントは起きていく。
一つのイベントを除いて。
数多くのイベントを乗り越え、主人公は勇者となり、ヒロインは賢者となる。
多くの者が英雄と崇めている。
まぁ、功績を見たら、英雄と称えられるのは分かる。
だが、私にはゲームの中で思ってしまうから心の底から称えることが出来ない。
嫉妬している訳では無い。
別に私は英雄になりたいと思ったことはない。
ただ平穏に暮らしたいだけだ。
普通に生きて、幸せになり、育ててくれた両親に親孝行をしたいだけ。
それ以外は何も望まない。
だから、私は将来に必要になることを学び続けている。
そんなことをしていると卒業まで後一年になっていた。
あ、やば。
婚約者のことを完全に頭から離れていたな。
だが、この貴族学園では無理だな。
大体の者が主人公に心酔している。
御令嬢達は婚約者を放おって、主人公を追いかけている。
御子息達も婚約者を放おって、ヒロインのことを追いかけているのだ。
傍から見たら、異常な光景だ。
だが、誰もそれを異常だと思わない。
私以外。
さて、これからどうなることやら。
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