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第三十七話 全戦力

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 俺はある魔法具を展開させた。

 展開した魔法具は空に映像を浮かばせるものだ。

 世界中の空に俺が映し出された。

 「初めまして。私はグリーンソルジャーの指揮官だ」

 俺は霊亀を指差した。

 「私が現れたのは真なる神獣を倒すためだ。あれは霊亀という魔物だ。だが、1つだけ勘違いしないでくれ。私は世界のために3体の神獣を倒した訳でない。私が守りたい人を守るために倒しただけだ。今回もそうするだけだ」

 俺は左手を耳に当てた。

 「全隊、撃ち方用意」

 すると、兵士達が現れた。

 歩兵隊は小銃を、拳銃を、軽機関銃を、重機関銃を、バズーカを構えた。

 特殊部隊は小銃を、盾と拳銃を、ショットガンを構えた。

 制圧隊はショットガンを構えた。

 戦車隊は主砲を、搭載された機銃を構えた。

 戦闘ヘリ隊はガトリングを、ミサイルを構えた。

 航空隊は搭載された機銃を、搭載されたミサイルを、搭載された爆弾を構えた。

 艦隊は搭載された全ての火器を構えた。

 潜水艦は浮上し、砲を、魚雷を構えた。

 対空砲隊は水平に対空火器を構えた。

 砲撃隊は野砲を、迫撃砲を構えた。

 ロケット隊はロケット弾を構えた。

 現れた兵士達の撃ち方用意を完了している。

 俺は霊亀を指差した。 

 「撃て」

 すると、兵士達が撃ち始めたのだ。

 銃弾が、砲弾が、ミサイルが、ロケット弾が、爆弾が、魚雷が霊亀の甲羅に吸い込まれていく。

 だが、攻撃は甲羅の上の大地や草や木を削るだけで甲羅に傷1つもつけることが出来なかった。

 その状況をみて俺は内心舌打ちしてしまった。 

 「列車砲、撃て」

 列車砲は現れると同時に砲弾を撃った。

 砲弾が風を切る音が聞こえてきた。

 それは確実に霊亀に近付いく。

 そのまま砲弾は霊亀の甲羅に吸い込まれたが傷1つもつけることが出来なかった。

 まじかよ。

 ベヒーモスを貫通した砲弾だぞ。

 冷や汗が止まらないな。

 俺は気を取り直し、左手を耳に当てた。 

 「列車砲、装填が終わったら撃て。戦艦にも告ぐ。全火力を霊亀に集中」

 すると、海上に戦艦が現れた。

 戦艦は主砲を、副砲を、機銃を霊亀の方に向けた。

 そして、撃った。

 発射された砲弾や銃弾は霊亀の甲羅を傷つけることは出来なかった。

 「戦艦、撃ちまくれ。ガンシップも撃ちまくれ」

 すると、上空にガンシップが現れた。

 ガンシップはミニガンで、機銃で、ロケットで攻撃したが甲羅を傷つけることは出来なかった。

 「攻撃機隊、地中貫通爆弾を装備し、霊亀に攻撃せよ」

 すると、上空に地中貫通爆弾を装備した攻撃機隊が現れた。

 攻撃機隊は機銃を撃ちながら降下し、地中貫通爆弾を投下した。

 だが、地中貫通爆弾は甲羅を貫通する事なく、甲羅の表面で爆発した。

 これでもダメか。

 出せるだけの兵力は全て出し切った。

 いや、まだ1つだけある。

 あまり気乗りしないが。

 ツキミを守るためだ。

 そうも言ってられない。

 さて、やるとするか。

 
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