上 下
15 / 40

第十五話 海に

しおりを挟む

 ツキミの実家に行ってから1ヶ月が経った。

 今日は無人島に来ている。

 まぁ、無人島と言ったがここはあるホテルが所領している島だ。

 この無人島には職員はいないが、宿泊施設がある。

 本来は静かに過ごしたい人用のものだが、俺は違う。

 俺がここを選んだのはツキミの水着姿を誰にも見せたく無いからだ。

 ここなら誰にも見られる心配がない。

 まぁ、ここには1泊しかしないけど。

 後はリゾート地のほうのホテルに泊まることにしている。

 何故、海に来たかというとツキミが海に行きたいと言ったからだ。

 ツキミの実家から帰ってきた日の時に、ツキミは服屋で水着を選んでいたんだ。

 本当は直ぐにも行きたかったが、流石に直ぐに休暇を取ることは出来なかった。

 纏まった休暇が取れたのが1ヶ月後だった。

 今回は2泊3日の旅行だ。

 俺はそんなことを考えながら、海を眺めている。

 ツキミが着替え終わるまで待っているのだ。

 待っていると後ろから声が聞こえてきた。

 「リ、リアン。着替え終わったから、後ろ向いても大丈夫だよ」

 その声が聞こえた俺は後ろを振り向いた。

 そこには水色のハイネックの水着に身を包み、銀髪をポニーテールにしているツキミがいた。

 「ど、どうかな?似合ってる?」

 「ツキミ、とても似合っているよ。そして、その髪型も可愛いよ」

 「あ、ありがとう。髪は遊ぶのに、少し邪魔だと思ったから結んだんだ」

 そう言いながら、ツキミは少し照れながら嬉しそうにしていた。

 ツキミの狐耳と尻尾も同様の感情を表していた。

 そして、ツキミは恐る恐る海の水に触れた。

 初めて海の水に触れたツキミは嬉しさと驚きが混ざった表情を浮かべていた。

 最初はツキミが海に慣れるため、少しずつ海の中に入ることにした。

 10分ぐらいでツキミは完全に海になれた。

 これで大丈夫だと思っているとツキミに水を掛けられた。

 ツキミはイタズラが成功したみたいな表情を浮かべていた。

 可愛いな。

 でも、やられたままではいけない。

 俺は水をツキミに掛け返した。

 その後、俺達は水の掛け合いをして楽しんだ。

 途中、昼食を挟んだが、それ以外は海を楽しんだ。

 海を楽しんでいると、夕方になってしまった。

 そろそろ、上がった方が良さそうだ。

 ツキミは海から上がる時に転びそうになった。

 俺は転ぶ前にツキミを受け止めた。

 そして、俺はツキミが転ばないように手を繋いだ。

 ツキミはいきなりのことに驚いていたが顔を少し赤くしながら、受け入れてくれた。

 その時のツキミの狐耳と尻尾は嬉しそうに揺れていた。

 そのまま、俺達は宿に帰った。
 


 
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

元外科医の俺が異世界で何が出来るだろうか?~現代医療の技術で異世界チート無双~

冒険者ギルド酒場 チューイ
ファンタジー
魔法は奇跡の力。そんな魔法と現在医療の知識と技術を持った俺が異世界でチートする。神奈川県の大和市にある冒険者ギルド酒場の冒険者タカミの話を小説にしてみました。  俺の名前は、加山タカミ。48歳独身。現在、救命救急の医師として現役バリバリ最前線で馬車馬のごとく働いている。俺の両親は、俺が幼いころバスの転落事故で俺をかばって亡くなった。その時の無念を糧に猛勉強して医師になった。俺を育ててくれた、ばーちゃんとじーちゃんも既に亡くなってしまっている。つまり、俺は天涯孤独なわけだ。職場でも患者第一主義で同僚との付き合いは仕事以外にほとんどなかった。しかし、医師としての技量は他の医師と比較しても評価は高い。別に自分以外の人が嫌いというわけでもない。つまり、ボッチ時間が長かったのである意味コミ障気味になっている。今日も相変わらず忙しい日常を過ごしている。 そんなある日、俺は一人の少女を庇って事故にあう。そして、気が付いてみれば・・・ 「俺、死んでるじゃん・・・」 目の前に現れたのは結構”チャラ”そうな自称 創造神。彼とのやり取りで俺は異世界に転生する事になった。 新たな家族と仲間と出会い、翻弄しながら異世界での生活を始める。しかし、医療水準の低い異世界。俺の新たな運命が始まった。  元外科医の加山タカミが持つ医療知識と技術で本来持つ宿命を異世界で発揮する。自分の宿命とは何か翻弄しながら異世界でチート無双する様子の物語。冒険者ギルド酒場 大和支部の冒険者の英雄譚。

異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~

宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。 転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。 良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。 例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。 けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。 同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。 彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!? ※小説家になろう様にも掲載しています。

その幼女、最強にして最恐なり~転生したら幼女な俺は異世界で生きてく~

たま(恥晒)
ファンタジー
※作者都合により打ち切りとさせて頂きました。新作12/1より!! 猫刄 紅羽 年齢:18 性別:男 身長:146cm 容姿:幼女 声変わり:まだ 利き手:左 死因:神のミス 神のミス(うっかり)で死んだ紅羽は、チートを携えてファンタジー世界に転生する事に。 しかしながら、またもや今度は違う神のミス(ミス?)で転生後は正真正銘の幼女(超絶可愛い ※見た目はほぼ変わってない)になる。 更に転生した世界は1度国々が発展し過ぎて滅んだ世界で!? そんな世界で紅羽はどう過ごして行くのか... 的な感じです。

売れない薬はただのゴミ ~伯爵令嬢がつぶれかけのお店を再生します~

薄味メロン
ファンタジー
周囲は、みんな敵。 欠陥品と呼ばれた令嬢が、つぶれかけのお店を立て直す。

大学生活を謳歌しようとしたら、女神の勝手で異世界に転送させられたので、復讐したいと思います

町島航太
ファンタジー
2022年2月20日。日本に住む善良な青年である泉幸助は大学合格と同時期に末期癌だという事が判明し、短い人生に幕を下ろした。死後、愛の女神アモーラに見初められた幸助は魔族と人間が争っている魔法の世界へと転生させられる事になる。命令が嫌いな幸助は使命そっちのけで魔法の世界を生きていたが、ひょんな事から自分の死因である末期癌はアモーラによるものであり、魔族討伐はアモーラの私情だという事が判明。自ら手を下すのは面倒だからという理由で夢のキャンパスライフを失った幸助はアモーラへの復讐を誓うのだった。

ボッチになった僕がうっかり寄り道してダンジョンに入った結果

安佐ゆう
ファンタジー
第一の人生で心残りがあった者は、異世界に転生して未練を解消する。 そこは「第二の人生」と呼ばれる世界。 煩わしい人間関係から遠ざかり、のんびり過ごしたいと願う少年コイル。 学校を卒業したのち、とりあえず幼馴染たちとパーティーを組んで冒険者になる。だが、コイルのもつギフトが原因で、幼馴染たちのパーティーから追い出されてしまう。 ボッチになったコイルだったが、これ幸いと本来の目的「のんびり自給自足」を果たすため、町を出るのだった。 ロバのポックルとのんびり二人旅。ゴールと決めた森の傍まで来て、何気なくフラっとダンジョンに立ち寄った。そこでコイルを待つ運命は…… 基本的には、ほのぼのです。 設定を間違えなければ、毎日12時、18時、22時に更新の予定です。

【書籍化決定】俗世から離れてのんびり暮らしていたおっさんなのに、俺が書の守護者って何かの間違いじゃないですか?

歩く魚
ファンタジー
幼い頃に迫害され、一人孤独に山で暮らすようになったジオ・プライム。 それから数十年が経ち、気づけば38歳。 のんびりとした生活はこの上ない幸せで満たされていた。 しかしーー 「も、もう一度聞いて良いですか? ジオ・プライムさん、あなたはこの死の山に二十五年間も住んでいるんですか?」 突然の来訪者によると、この山は人間が住める山ではなく、彼は世間では「書の守護者」と呼ばれ都市伝説のような存在になっていた。 これは、自分のことを弱いと勘違いしているダジャレ好きのおっさんが、人々を導き、温かさを思い出す物語。 ※書籍化のため更新をストップします。

無能スキルと言われ追放されたが実は防御無視の最強スキルだった

さくらはい
ファンタジー
 主人公の不動颯太は勇者としてクラスメイト達と共に異世界に召喚された。だが、【アスポート】という使えないスキルを獲得してしまったばかりに、一人だけ城を追放されてしまった。この【アスポート】は対象物を1mだけ瞬間移動させるという単純な効果を持つが、実はどんな物質でも一撃で破壊できる攻撃特化超火力スキルだったのだ―― 【不定期更新】 1話あたり2000~3000文字くらいで短めです。 性的な表現はありませんが、ややグロテスクな表現や過激な思想が含まれます。 良ければ感想ください。誤字脱字誤用報告も歓迎です。

処理中です...