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第七話 戦闘開始
しおりを挟む俺は左手を耳に当てた。
「歩兵隊、防衛準備」
すると、その言葉を言い終えるのと同時に緑色の霧で体が構成された歩兵達が壁の外に姿を現したのだ。
その歩兵隊は俺の指示に従い、防衛準備を始めた。
こういう感じか。
人間では無く、人間の形をした緑色の霧か。
喋ることはなさそうだが、指示にはしっかりと従ってくれるからあまり問題は無さそうだな。
「戦車隊、歩兵隊の防衛陣地で待機しろ」
すると、緑色の霧で構成された戦車隊が歩兵隊の防衛陣地の中に現れ。
人間だけでは無く、兵器も緑色の霧で構成されているのか。
不思議なものだな。
「砲兵隊、ロケット隊、防衛陣地の後方に展開しろ」
すると、防衛陣地の後方に砲兵隊とロケット隊が展開した。
俺は耳に左手を当て、ある部隊にある指示を出した。
さて、全ての戦闘準備が終わった。
ベヒーモスはもうすぐ射程距離に入りそうだ。
なら。
俺は右手を上げた。
「撃ち方用意」
すると、兵士達がベヒーモスに狙いを定めた。
ベヒーモスは確実に一歩一歩街に近付き、射程距離に入った。
そして、俺は右手を勢いよく下げた。
「撃ち方始め」
その指示が出されたとの同時に兵士達が各々の武器を撃ち始めた。
一斉に発射された銃弾や砲弾やロケット弾は、ベヒーモスの体に吸い込まれた。
だが、ベヒーモスの体には傷1つも付かず、表面の汚れを取るだけだった。
「撃ち続けろ」
それでも兵士達は俺の指示に従い、撃ち続ける。
どうやら、弾薬は尽きないようだ。
リロードの必要はあるみたいだが。
だが、このままでは街が蹂躙されてしまう。
「攻撃ヘリ部隊、ベヒーモスに向かって、撃ち方始め」
すると、霧で構成された攻撃ヘリ部隊が現れた。
現れた攻撃ヘリ部隊は搭載されているミサイルとガトリングを撃ち始めた。
先程よりも火力は上がったが、ベヒーモスに傷をつけることが出来ていない。
俺は 心の中で舌打ちしてしまった。
「航空隊、ベヒーモスに向かって、対地攻撃を開始しろ」
すると、空には緑色の霧で構成された航空機達が現れた。
現れた航空隊は高度を下げ、ベヒーモスの上から爆弾やミサイルや機銃で攻撃を始めた。
ベヒーモスは少しだけ痛がり、進行速度が遅くなった。
どうやら、上からの攻撃には弱いようだ。
「全隊、ベヒーモスの上を狙え、ただし、航空隊や攻撃ヘリ達に攻撃を当てないように細心の注意を払え」
その指示に従い、兵士達はベヒーモスの上の方に向かって、攻撃を始めた。
その攻撃のお陰で進行速度はそれなりに遅くなった。
だが、これ以上遅くするのは難しい。
街からは距離あるが、威力が高い武器は使えない。
万が一のことがあるからな。
だが、作戦は順調だ。
後はベヒーモスを待つだけだ。
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