第1王子だった私は、弟に殺され、アンデットになってしまった

最終話 300年後

 あの結婚式から、300年が経った。

 私は、セレリア達と変わらず、幸せに過ごしている。

 セレリアは、男の子と女の子を産んだ。

 男の子は、成人してから、旅に出て、ハーレムを作った。

 そのハーレムの殆どは、長命種だった。

 そして、そのハーレムの中で、多くの子供を作った。

 その子供は、全員ヴァンパイアだった。

 ヴァンパイアは、他の種族よりも血が濃いので、ヴァンパイアが産まれてくる。

 なので、ヴァンパイア族は、セレリア1人だけは無くなった。

 女の子の方は、研究が好きな悪魔と恋に落ち、結婚した。

 その悪魔との間には、子供を2人産んだ。

 リタは、女の子を産んだ。

 リタの娘は、リタと同じような性格をしており、保護欲が湧いてきた。

 リタの娘は、先祖返りの龍人と結婚した。

 先祖返りの龍人が、必死にアプローチして、結婚に漕ぎ着けた。

 まぁ、リタの娘が、受け入れても、私達が、最後に立ち塞がったが。

 結局、私達は、2人の結婚を認めた。

 リタの娘は、双子の女の子を産んだ。

 悪魔と龍人の。

 サリラは、女の子を産んだ。

 サリラの娘は、何故か、堕天使ではなく、天使だった。

 そして、サリラの娘は、何処か、天使を連れてきて、その天使と結婚した。

 子供は、男の子と女の子を産んだ。

 どちらも天使だった。

 リーシアは、まず種族が変わり、神獣となった。

 どうやら、獣人は、一定の年月を生きると、神獣になるようだ。

 そして、リーシアは、女の子を2人産んだ。

 リーシアの娘達は、どちらもライオンの獣人だった。

 リーシアの娘達は、どちらも番を見つけた。

 その番と結婚して、幸せに過ごした。

 だが、その番の者は、人間だったため、今は、もう空の上だ。

 子供達が巣立った私達は、楽しく過ごしている。

 そして、私は、ウェンター学園で、外部教師として、1週間に一度、剣を教えている。

 なので、この大陸中に、教え子がいる状況になっている。

 まぁ、教えている時は、シャドーナイトの装備を着ているから、外していたら、バレないけど。

 父上は、弟の王位を譲り、静かな余生を過ごし安らかに眠った。

 フレシャー公爵は、養子に当主の座を譲り、マリネとエスリスを愛しながら、余生を過ごし、安らかに眠った。

 マリネは、公爵家に嫁ぎ、3人の子供を産み、夫と3人の子供と5人の孫に囲まれながら、安らかに眠った。

 弟は、父上から王位を譲り受け、エスリスと結婚し、国を発展させた。

 そして、子供が大きくなると、王位を譲り、エスリスとの余生を過ごし、安らかに眠った。

 エスリスは、弟との間に、4人の子供を産み、夫と4人の子供と6人の孫に囲まれながら、安らかに眠った。

 クリメは、王城の執事と結婚したが、結婚の後もエスリスに仕え続け、最後は、夫と1人の子供と2人の孫に囲まれながら、安らかに眠った。

 父上達は、幸せな人生を生きた。

 そして、私達は、これからも幸せな日々を過ごすだろう。

 それを感じさせように、風が吹いてきた。

 そして、下から、声が聞こえてきた。

 「ニース。早く来て」

 「ニースさん。早く来てください」

 「ニース。みんな首を長くして待っているわ」

 「ニース。早く来てよ」

 下から、愛しい妻達と愛する子供達とその子供達の声が聞こえた。

 私は、下を向き、柔らかく微笑んだ。

 すると、愛しい妻達は、微笑み返してくれた。

 その微笑みは、とても幸せに満ち溢れていた。

 第1王子だった私は、弟に殺され、アンデッドになったが、幸せな生活を手に入れた。

 今までもこれからも幸せな日々は、続くだろう。

 私は、愛しい妻達と愛している子供達と一緒に幸せに生きていく。