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第十二話 気弱な悪魔
しおりを挟むセレリアに告白してから、1週間が経った。
ダンジョンを脱出してから、2週間が経った。
私は、影の魔物を増やすために、魔核を集めている。
集めていると言ったが、私は、別に魔物を倒してない。
城の整備と警備をしているシャドーソルジャーとシャドーアサシンの半分を日中だけ、魔物の狩りに出している。
なので、全く苦労しないで、魔核を集めることが出来ている。
シャドーソルジャーから、連絡がきた。
森の中に、人間ではない少女がいると。
そして、その少女は、不安そうな表情を浮かべ、ビクビクしながら、歩いているとも報告が入った。
私は、シャドートラベリングを使って、その場所に向かった。
その場所には、頭から、小さい2本の角を生やし、背中からは、悪魔の羽の生やしている少女がいた。
そして、悪魔の尻尾を生やしていた。
あれは、悪魔か?
何故、悪魔が、こんなところに?
無害そうだから、聞いてみるか。
私は、悪魔の少女の前に出た。
「ヒイィ、シ、シャドーナイト。な、なんでこんなところにいるの。こ、殺さないで下さい。リ、リタは、悪魔ですけど、何も悪いことをしてないです」と言い、悪魔の少女は、頭を抱えて、自分を守るように、蹲った。
私は、困惑してしまった。
悪魔は、こんなにも怖がりだったか。
私は、声を掛けるために、近付いた。
「こ、来ないで下さい。リ、リタは、美味しくないです」と言い、悪魔の少女は、体を震わせていた。
私は、出来る限り優しい声で、「確かに、私は、シャドーナイトだが、君を殺すことも食べることも無い。だから、安心してくれ」
「ほ、本当ですか?」と、悪魔の少女は、頭をこちらの方に向けて、聞いてきた。
その悪魔の少女の顔つきは、整っていた。
普通に美少女だった。
紫色の髪をおさげにして、緑色、いや、翡翠色の瞳をしている。
「ああ、本当だ」と、答えた。
「良かった」と言い、悪魔の少女は、安堵の表情を浮かべた。
「おっと、申し訳ない。自己紹介を忘れていた。私は、シャドーナイトのニースだ。君は、見たところ悪魔のようだが、何故、こんなところにいるんだ?」と、聞いた。
「あ、はい。リタは、リタと言います。一応、悪魔です。ここにいるのは、魔界を追放されたからです。あ、リタのことは、リタと呼び捨てで大丈夫です。その代わり、ニースさんと呼ばさせてもらいます」と、リタ嬢は、答えてくれた。
「魔界を追放された件について、詳細を聞いても?」と、聞いた。
リタは、頷いて答えてくれた。
どうやら、リタが、魔界を追放された理由は、悪魔らしくないかららしい。
まぁ、そうだよな。
森の中を不安そうな表情を浮かべ、ビクビク歩いていたからな。
悪魔は、歴史書の中に書かれている通りに、残忍な生き物らしい。
リタは、上級者悪魔らしいが、気弱な性格のため、魔界にいた頃は、下級悪魔にもバカにされたそうだ。
成人を迎えた今日、魔界から、追放されたそうだ。
それを聞いた私は、リタのことを保護しようと思った。
リタをここで保護しなければ、悲惨な運命が待っているだろう。
「リタ。私と一緒に来ないか?」と、聞いた。
「えっ、良いんですか?」と、リタが、聞き返してきた。
「勿論だ」と、答えた。
「あ、ありがとうございます、ニースさん。あ、その、他に誰かいます?」と、リアが、聞いてきた。
「私の恋人がいます。まぁ、リタの事情を説明すれば、受け入れて貰えるでしょう」と、答えた。
「よ、良かったです」と言い、リタは、ほっと息を吐いた。
リタは、私の方を向いた。
「えっと、ニースさん。これからよろしくお願いします」と言い、リタは、頭を下げた。
「こちこそ」と言い、私も頭を下げた。
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