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第二話 ブラックナイト
しおりを挟む水が流れる音が、聞こえる。
おかしい。
私は、死んだはずだ。
ここは、天国なのか。
そんなことを思いながら、周りを見渡してみると、天国では、無かった。
私が、今いる場所は、近くに水が流れていて、硬い石で出来た地面がある。
私は、上を向いた。
上には、暗闇が広がっていた。
ここを登るのは、無理か。
私は、自分の体を見てみた。
ど、どいうことだ?
何故、私は、こんな黒い鎧をつけている?
しかも、この鎧見たことがある。
これは、魔物の鎧の筈だ。
私は、流れている水に近付いた。
流れている水は、私の姿を映し出した。
間違えない、この黒い鎧、ブラックナイトだ。
アンデッドのブラックナイトだ。
わ、私は、アンデッドになってしまったのか。
私は、直ぐに、自分の記憶を確かめた。
自分の記憶は、何も問題無かった。
私は、絶望感を覚えた。
食事も睡眠も要らない体になってしまった。
もし、この階層で、冒険者に出会ったとしても私は、攻撃されるだろう。
冒険者達からしたら、私は、ただの魔物だからな。
だが、私は、死にたいと思わない。
生きてやる。
アンデッドになったとしても。
取り敢えず、この場所から、移動しよう。
ここにいても何も始まらないからな。
その前に、装備だけ確認しておくか。
私は、自分の鎧を調べた。
武器は、ブラックナイトが持っている剣身が黒い剣だけか。
こんな場所にそれ以外は、ないだろうし。
この剣で、戦うしかないか。
剣を抜いて、この場所を後にした。
さっきの空間が出ると、洞窟な空間に出た。
俺は、直ぐに、身を隠した。
おかしいだろ。
ありえない。
なんで、S級の魔物が、こんなにいるんだ。
グレートオーガ、ゴブリンロードなど、天災級の化け物ばかりだ。
もし、地上に現れたら、騎士団が総力を挙げて、対処する存在達だ。
いくら、ブラックナイトに、生まれ変わったとしても勝てない。
ブラックナイトは、A級の魔物だ。
確かに、ブラックナイトは、A級の中では、強い方だが、S級の魔物とは、比べ物にならない。
私は、さっきの空間に戻った。
ハァ、どうすればいいんだ?
このままでは、ここから出ることも出来ない。
ダメだと思うが、試してみるか。
私は、壁に向かって、手を開き、「ウォーターボール」と、唱えた。
すると、人間だった頃によりも水の玉が、壁に向かって、飛んで行った。
そして、水の球は、岩の壁を削った。
な、なんで、こんなに強くなっているんだ?
だが、これは、いい発見だ。
ブラックナイトは、魔法が使えない。
ブラックナイトは、剣術だけで、A級の魔物に認定されているのだ。
だから、魔法が使えれば、S級の魔物と対等に渡り合うことが出来る。
よし、戦うか。
上には、行けないから、下を目指す。
このダンジョンをクリアして、私は、ダンジョンから、生きて出るんだ。
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