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第一話 王の座

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 私は、エアリアル王国の第1王子のニース・エアリアルだ。

 今は、王家の儀式をするために、ダンジョンの中にいる。

 このダンジョンは、この世界の中で、1番深いと言われている。

 発見されてから、数百年が経っているが、完全攻略されていない。

 今は、79階層までが、攻略されている。

 王家の儀式をする場所は、20階層にあるため、まずはそこまで降りる。

 と言っても、私は、魔物と戦わないが。

 20階層に到着するまでに、襲ってくる魔物達は、護衛の騎士と魔法使いが、倒していた。

 途中で、油断してしまって、騎士の1人が負傷した。

 「ふん、無能が。お前のような者が、騎士なんて、恥ずかしいな」と、騎士を罵った者がいた。

 「やめろ。その騎士は、職務を遂行しただけだ。無能などではない」と、騎士を庇った。

 すると、男は、不満そうな表情を浮かべ、先に行ってしまった。

 本当に困ったものだ。

 私の弟は。

 あれでは、外に婿に出すことも出来ない。

 私が、王位を継承したら、1代限りの爵位を与え、適当な田舎に行かせるか。

 父上は、弟がどんなことをしても、許してしまうから、私がやらなければならない。

 父上は、民衆からの人気は高いが、優しすぎるのだ。

 特に身内には。

 まぁ、そんな父上を嫌いには、なれないが。

 取り敢えず、この儀式を終えなければ、私は、王位を継承することが出来ない。

 まずは、儀式を成功させる。

 騎士の治療が済んでから、20階層に向かった。

 無事に20階層に到着した。

 儀式の場所には、王族しか入れない。

 儀式の場所は、特別で、魔物が湧かないのだ。

 何故そうなのかは、分かってないが。

 私と弟は、儀式の場所に入り、儀式を進めた。

 儀式を終えた私達は、入り口に向かって、歩き始めた。

 儀式の場所には、崩落した部分がある。

 その部分は、下が見えなく、暗闇に包まれている。

 その場所の近くを通っている時に、突然、腹部に、熱い感覚と、痛みを感じた。

 私は、腹部の方に視線を向けると、剣が刺さっていた。

 私は、後ろを向いた。

 後ろには、醜悪な表情を浮かべた弟が、立っていた。

 「な、何故、こんなことを?」と、聞いた。

 「何故?簡単だ、兄上。お前は、邪魔なんだよ。俺様が、王になるのに」と言い、剣を引き抜いた。

 剣を引き抜かれた私は、傷口から、大量に血を流してしまった。

 私は、傷口を手で押され、少しでも血を止めた。

 私は、後ずさりをしたが、後ろには、下が見れない穴しかない。

 「餞別だ、兄上。安心して死んでくれ。お前の得るはずだったものは、全て俺が、頂くから」と言い、弟は、俺の心臓に剣を突き刺した。

 私は、穴に落ちた。

 ああ、息も出来ない。

 思考もまともに出来ない。

 このまま死ぬんだな。

 そんなことを思っていると、俺は、何も感じなくなっていた。

 そして、意識は、朦朧とし、最後は、意識を失った。
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