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第三十四話 2つの世界を繋ぐ者

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 魔物が、異世界に帰り、裏組織が、壊滅した後、各国は、復旧に力を入れている。

 日本の街は、北海道と青森の沿岸地域だけだったので、そこまで復旧は、大変では無かった。

 だが、北海道に駐在していた自衛隊の復旧が困難を極めた。

 北海道に駐在していた自衛隊は、全滅しており、再建が難しかった。

 しかも北海道には、自衛隊の戦車師団が、全滅していたこともあった。

 日本は、それだけだったが、最後まで抵抗した国は、そうでは無かった。

 全てが、ボロボロになり、市民達が、普通に生活が営むも難しいレベルまで、国が疲弊していた。

 それらの国は、比較的被害が少なかった国が、支援や援助をした。

 世界が、復興に向けて、協力している。

 なので、元の世界に戻るのも直ぐだろう。

 世界に元の日常が、帰ってきたのだ。

 俺達にも元の日常に戻り、ゆったりと過ごしている。

 魔物達と魔王が、異世界に帰ってから、1ヶ月が経っていた。

 小さいテレビを見ながら、釣り具の整備をしていると、いきなり画面が切り替わり、ニュースになった。

 ニュースキャスターが、慌てた様子で、「き、巨人が、倉敷市に現れました。そ、その巨人は、倉敷高校の方に向かっています」

 俺は、小さいテレビを止め、リビングに向かった。

 リビングには、驚いた表情を浮かべている茉里とソニアがいた。

 スタジオから、中継になり、倉敷市の街を歩く巨人を映し出した。

 その巨人は、推定20メートルぐらいある。

 その巨人は、倉敷高校に到着すると、そこで止まった。

 ニュースキャスター、いや、カメラを見た。

 その巨人は、「吾輩は、2つの世界を繋ぎ者」

 その巨人は、続けて、「これは、大事な使命である。だから、邪魔をするなよ」

 巨人は、何かをしたのだ。

 その後、何をしたのか情報がやって来た。

 それは、全ての兵器を使えなくしたのだ。

 この世界には、無い力で。

 普通の車や飛行機は、大丈夫だが、武装がついている戦闘車両は、動かなくなってしまった。

そのため、普通の車で、移動した自衛隊が、巨人に向かって、小銃などで攻撃を始めた。

 小銃などの銃火器は、使えるみたいだな。

 だが、その攻撃は巨人には、全く効くことが無かった。

 いや効いているが、直ぐに再生しているのだ。

 巨人は、「無駄、無駄。吾輩の体は、2つある。この世界ともう1つの世界に。その2つの体に同時に傷を与えないと意味が無い」

 これを聞き、打つ手なしだと確信した。

 巨人は、自衛隊の方に手を伸ばし、何かを呟いた。

 すると、自衛隊が持っていた小銃が、真っ二つに割れた。

 武器を失った自衛隊は、撤退を余儀なくされた。

 それを機に、巨人に抵抗する者は、現れなかった。

 それは、俺もだ。
 
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