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第十四話 2人からの告白

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 ソニアが、この家に来て、1ヶ月が経っていた。

 その頃には、茉里とソニアの分の偽の身分証が完成していた。

 それをコージから受け取り、茉里とソニアに渡した。

 このところ、私は、困っていることがある。

 それは、茉里とソニア、2人に恋愛感情を持っていることだ。

 現代社会では、不純だと思うが、異世界は、重婚は、普通だったからな。

 でも、今いるのは、異世界ではない。

 一応、偽の身分を2つ持っているから、2人と結婚自体は、可能だ。

 だがな。

 2人に結婚を申し込むのは、違うだろう。

 かと言って、選ぶのも難しい。

 どうするかべきか。

 そのことを悩みながら、ここ最近過ごしている。

 家の中で、茉里とソニアとお茶していると、茉里が、そわそわしていた。

 茉里が、そわそわしながら、「ね、ねぇ、宗佑」

 俺は、「うん?どうしたんだ?」

 「も、もしもだよ。僕とソニアが、宗佑と結婚したいと言ったら、2人とも受け入れることができる?」と、茉里が、聞いてきた。

 「それは、合法的にということか?」と、聞き返した。

 茉里は、頷いて答えた。

 答える前に、チラリとソニアの方を見てみると、何故か、そわそわしていた。

 俺は、「一応、合法的に、出来る。俺は、偽の身分を2つ持っているから、それぞれと籍を入れれば、可能だ」

 いきなり、ソニアが、立ち上がり、机に乗り出した。

 「それは、本当ですか?」と、ソニアが、聞いてきた。

 「あ、ああ、本当だ」と、答えた。

 「そうですか」と言い、ソニアは、茉里の方を向いた。

 「茉里さん、あちらに」と言い、リビングの端っこの方に視線を向けた。

 「うん」と言い、茉里も立ち上がった。

 茉里とソニアは、リビングの端っこの方に向かった。

 2人で、秘密の作戦会議をしていた。

 俺には、その会議の内容が、聞こえてくることは無かった。

 10分ぐらいで、作戦会議をやめ、俺に近づいてきた。

 何故か、茉里の顔は赤く、ソニアの顔は少し赤かった。

 「そ、宗佑。ぼ、僕は、宗佑のことが好き。大好き。あの時、犯されそうだった僕を助けてくれた時から」と言い、茉里の顔は、真っ赤になっていた。

 「宗佑様。私は、宗佑様のことをお慕いしています。私は、救ってくれた時から」と言い、ソニアは、耳を真っ赤にしていた。

 「「だから、僕(私)達と、結婚して下さい」」と言い、2人は、手を俺の方に出してきた。

 「すまない、2人とも」と言い、頭を下げた。

 2人は、ショックを受けた表情を浮かべていた。

 俺は、頭を上げ、「2人から、好きと言わせて。本来なら、俺から言うべきことだったのに」

 2人は、驚いた表情を浮かべていた。

 俺は、2人の目をしっかり見て、「俺は、茉里とソニア、2人に恋愛感情を持っていた。だが、不純だと思い、思いとどまっていた」

 「告白は、男からするものだ。だから、ちゃんと伝える」と言い、2人の手を取った。

 俺は、覚悟を決め、「茉里、ソニア、俺と結婚を前提にお付き合いしてくれ」

 「「はい」」と言い、2人は、俺の手を強く握りしめてくれた。

 俺は、嬉しさなあまり、2人に抱きついてしまった。

 2人は、驚いたが、抱きしめ返してくれた。

 俺は、そのことがとても幸せだと感じた。

 その時初めて、異世界に召喚されて良かったと思った。

 

 

 
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