魔王を倒したが、無実の罪を着せられた俺は、これから好きに生きる

竹桜

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最終話 この世界よりも大切な君に

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 結婚式を終えた俺達は、家に帰った。

 ニアは、ウェディングドレスを着替えに行った。

 妻になったニアが、20分ぐらいで、普段着に着替えて、俺が待っている部屋にやってきた。

 「ニア、これから、少しだけ出かけないか?」と、聞いた。

 「もちろん、良いわよ」と、ニアが、答えてくれた。

 俺は、ニアの手を掴んで、スキルを使って、ある場所に移動した。

 着いた場所は、黒色の花が咲き誇り、輝いている満月が空に浮かび上がり、そして、その満月が澄んだ湖に映し出され、幻想的な雰囲気を醸し出していた。

 「綺麗」と、ニアは、呟いた。

 俺は、幻想的な風景に見惚れている愛しい妻の名前を呼んだ。

 愛しい妻は、俺の方を向いた。

 ニアが、俺の方を向いたことを確認してから、ニアの前で、膝を着いた。

 「俺、ヒツヤは、この世界よりも大切な君に、永遠の愛を誓います。どうか俺の誓いを受け取ってくれ、ニア」と、誓った。

 「はい、その誓い受けたらせて貰います。私もヒツヤのことが、この世界の誰よりも大好き。だから、これからもよろしくお願いしますね」と言い、ニアは、満面の笑みを浮かべて、誓いを受け取ってくれた。

 俺は、立ち上がり、「ありがとう、ニア。俺の誓いを受け取ってくれて」

 ニアは、「私の方こそ、ありがとう、ヒツヤ。私に永遠の愛を誓ってくれて」

 俺は、ニアを抱きしめた。

 ニアは、突然なことで驚いていたが、直ぐに、抱き返してくれた。

 俺達は、抱き着き続けた。

 数分経った時に、俺は、少しニアから離れ、唇にキスをした。

 ニアは、突然のキスに驚いていたが、直ぐに、俺のキスを受け入れてくれた。

 俺達は、愛を確かめた。

 満月が照らす、幻想的な風景の中で、愛を確かめた。

 すると、突然、強い風が吹いた。

 強い風は、黒色の花の花びらを散らした。

 そして、散らばった花びらは、俺達のことを包んだ。

 その光景は、まるで、世界が俺達を祝福しているようだった。

 例え、この世界が、俺達のことを祝福しなくても俺は、ニアのことは、必ず守る。

 それが、世界を滅ぼすことになったとしても。

 だって、それは、この世界よりもニアのことが大切だからだ。

 この世界は、はっきり言ってクソだった。

 だが、1つだけ良いことがあった。

 それは、ニアと出会えたことだ。

 だから、俺は、ニアのためだけに力を使い、ニアのためだけに動く。

 これからも愛しているよ、ニア。

 そんなことを考えていると、ニアが、自分の両手で、俺の顔をニアの方に向けた。

 「これから、幸せになろう。ヒツヤとなら、永遠に幸せになれると思うから」と言い、ニアは、俺の胸から顔を上げ、今まで見た中で、1番美しい微笑みを浮かべた。

 また強い風が吹き、花びらが俺達のことを包んだ。

 だが、花びらが何処かに飛んだ後には、俺達は、既に居なかった。

 勇者召喚され、魔王を倒したが、無実の罪を着せられた俺は、好きに生きた。

 これからは、ニアと一緒に、好きに生きていく。

 

 
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