魔王を倒したが、無実の罪を着せられた俺は、これから好きに生きる

竹桜

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第二十話 2人だけの結婚式

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 世間は、今、真なる魔王を倒した黒いフードを被っているものを探している。

 一応、俺達のところにもそうなのかと聞かれたが、そんな訳ないと答えた。

 そんな中で、俺達は、結婚式を挙げることにした。

 準備は、真なる魔王を倒した後から、直ぐに始まり、1ヶ月ぐらいで終わった。

 俺とニアの結婚式には、参列者なんていない。

 ニアは、天涯孤独であり、俺もこの世界では天涯孤独だ。

 だから、2人だけの結婚式だ。

 俺は、ニアが、どんなウェディングドレスを選んだかは、知らない。

 当日までのお楽しみになっていた。

 俺は、先に正装に着替えて、教会の中で、待っていた。

 俺達が結婚式を挙げている教会は、森の奥にあり、忘れられた教会だ。

 数分後ぐらいに教会のドアが、開き、ニアが入ってきた。

 ニアは、真っ白のAラインのウェディングドレスを着て、真っ白のショートベールをつけていた。

 俺は、ニアのことをエスコートして、前の方に移動した。

 「新郎、ヒツヤは、神父、ニアに、永遠の愛を誓います」と言い、ニアの右手を握った。

 「新婦、ニアは、新郎、ヒツヤに、永遠の愛を誓います」と言い、ニアは、俺の左手を握り返してくれた。

 俺達は、向き合って、両手を胸辺りで繋いだ。

 そして、俺達は、誓いのキスをした。

 こうして、俺達は、夫婦になった。

 俺は、ニアのことをエスコートして、教会から出た。

 俺は、少しでもニアとの思い出を残すため、あることをすることにした。

 俺は、スキルを解除した。

 すると、2つの椅子と、テーブルの上には、沢山の料理が並んでいた。

 この沢山の料理は、ニアに気付かれないように、分身で作ったものだ。

 ニアは、その料理を嬉しそうに見ていた。

 俺は、椅子を引いて、ニアを座らせてから、自分も座った。

 ニアは、「ありがとう」

 今回出している料理は、ニアの好物ばかりだ。

 ニアは、大好物の料理から食べ始めた。

 ニアは、幸せそうに、美味しそうに食べていた。

 料理は、直ぐに、食べ終わった。

 「ありがとう、ヒツヤ。私のために、料理を作ってくれて」と言い、ニアは、俺の方を向いて、笑顔を浮かべた。

 俺は、「気にしないで、これからは、俺達は、夫婦だから。これからも料理は、作っていくよ」

 ニアは、「本当に、ヒツヤと結婚出来て、良かった。ヒツヤは、優しくて、強くて、私のことを大切にしてくれる」

 ニアは、俺の両手を掴んで、「これからもこんな私をよろしくね」と言い、微笑んだ。

 「俺の方こそ、これからもよろしく、ニア」と言い、微笑んだ。

 ニアは、可愛い恋人から、愛している妻に変わった。

 この世界に来て、初めて、良かったと思った。

 ニアと出会えたことが。
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