魔王を倒したが、無実の罪を着せられた俺は、これから好きに生きる

竹桜

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第十七話 真なる魔王

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 海に行ってから、2ヶ月が経った。

 俺は、ニアと一緒に、庭でのんびりしていると、空に何かが浮かんだ。

 俺は、念の為、ニアの前に立ち、戦闘態勢を取った。

 空の映像に、頭から角を生やした男と王座が映し出された。

 「初めまして、人間達よ」と、渋い声が、聞こえてきた。

 あれは、魔族。

 俺が、倒した魔王とは、別人のようだ。

 「我は、真なる魔王だ。異世界の勇者が倒した魔王は、格が違う。あんな雑魚とは、一緒にするなよ」と言い、真なる魔王は、王座に座った。

 真なる魔王は、「さて、人間達よ。お前達には、選択肢をやろう。我に滅ぼされるか、我に姫を10人生贄を差し出せ」

 真なる魔王は、「猶予は、1週間やろう。もし、その選択肢以外を取りたいのならば、我を倒せ。まぁ、我を倒すことも。それ以前に、我の居城までたどり着くことは、出来ないと思うが」

 「では、人間達よ。1週間以内に選択肢しろ。それでは、いい返事を期待しているよ」と言うと、空に浮かんだ映像は、消えた。

 俺は、戦闘態勢を解き、ニアに怪我が無いか確認した。

 「ニア、怪我は無いか?」と、聞いた。

 「私は、怪我してないわ。ヒツヤも怪我してない?」と、ニアが、聞き返してきた。

 「ああ、大丈夫だよ」と、答えた。

 「ねぇ、ヒツヤ。魔王は、ヒツヤが倒したんじゃないの?」と、ニアが、聞いて来た。

 「ああ、確かに俺は、魔王を倒した。だけど、さっきの魔王とは、別人だ。多分だが、あの真なる魔王は、俺が倒した魔王よりも強い」と、答えた。

 俺は、続けて、「でも、安心して、今の俺の力なら、倒すことは出来るよ」

 ニアは、「やっぱりヒツヤは、強いね」

 ニアは、後ろを向いて、「ヒツヤは、やっぱり優しいね。私のことを直ぐに守ってくれて」

 「そんなヒツヤだから、私は、好きになったの。ありがとう、ヒツヤ、私を守ろうとしてくれて」と言い、ニアは、俺の方を振り向き、嬉しそうに笑顔を浮かべた。

 俺は、その笑顔に見惚れてしまった。

 俺は、直ぐに分身を作り出し、真なる魔王の居城を調べた。

 真なる魔王の居城は、俺が魔王討伐した城からあまり離れていない場所にあった。

 俺は、ニアに何かしらがあったら、直ぐにでも真なる魔王を殺せるように、近くに、転移出来る場所を設置した。

 真なる魔王よ。

 お前が、何をしようが俺には、関係無いが、もし、ニアに何かしてみろ。

 一切の慈悲と掛けずに、殺してやる。

 俺は、そのことを思いながら、いつもの夜を過ごし、ニアの耳と尻尾を堪能してから、寝た。

 

 

 

 


 
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