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第十一話 ニアのために
しおりを挟む俺は、スキルで、実体がある分身を数体作った。
分身達で、あの施設を調べることにした。
調べた結果、どうやらあの施設は、闇ギルドが、暗殺者を作るための訓練施設らしい。
訓練内容が書かれた資料もあったので、それを読んでみると、何故、ニアが怖がっていたのか理解できた。
訓練内容は、暗殺者を育てるためだけであり、人道的なんて言葉は、存在しなかった。
そして、その施設自体が、ニアにとっては、トラウマなんだ。
俺は、分身で、この地下室ごと爆破することにした。
爆発魔法が込められた魔法石を施設と洞窟の中に大量に仕掛け、爆発させた。
爆発された洞窟は、崩れ落ち、全てが埋まってしまった。
俺は、分身を1体だけ残し、ハンター組合に、報告させた。
洞窟が崩れたことは、死んだ盗賊達が、爆発物を持っていて、最後に爆発したと、嘘の報告をした。
職員達は、その言葉を信じ、依頼の報酬を出してくれた。
俺は、分身で、報酬を貰い、人気が無い場所に移動させ、スキルで、俺の隣に移動させた。
分身から、報酬を受け取り、分身を消した。
報酬は、直ぐに、魔法袋にしまった。
俺は、両手で、ニアの右手を握った。
ニアは、安心したような表情を浮かべて、スヤスヤ寝ていた。
俺は、そんなニアの寝顔を見ながら、あることが、思っていた。
俺は、ニアのことが好きなのだ。
だが、闇ギルドの者達は、俺が好きなニアに、恐怖を与えたんだ。
無事で済むなと思うなよ。
俺は、この世界を好きに生きると決めたんだ。
だから、世界の均衡が崩れたとしても俺は、ニアのために闇ギルドを潰そう。
全部、潰そう。
俺は、全ての闇ギルドを潰すことを決めた。
俺は、スキルで、全ての闇ギルドの施設と関係している建物を調べた。
俺は、大量の分身を出し、スキルで作り出した黒いフードを被らせた。
そして、その分身達を調べた場所に移動させた。
全ての分身は、移動に成功した。
俺は、皆殺しを命じた。
分身達は、無慈悲に効率的に闇ギルドの関係者達を殺し始めた。
それが例え、女だろうが、子供だからが、何処かの権力者だろうが、殺した。
闇ギルドの関係者達の中には、反撃する者達も居たが、俺がベースになっているので、分身には、傷1つけることすらも出来なかった。
全てを殺し終わった後は、死体を一箇所に集め、爆発魔法が込められた魔法石を仕掛けた。
それらの作業を終えたら、分身を俺の方に移動させた。
俺は、分身を戻し、魔法石を発動させた。
俺の耳には、爆発音は、聞こえなかったが、何処かでは、爆発していることだろう。
俺は、窓の方を向いた。
日が沈みかけていて、夕方になっていた。
そろそろ夕食を作ろうと思っていると、俺の手が握られた。
俺が、ニアの方を見ると、ニアが、起きていた。
「ヒツヤ、ありがとう」と言い、ニアは、微笑んだ。
俺は、「いや、良いんだ。ニア」
ニアは、「ヒツヤ、私は、もう大丈夫だから。先に、夕食の準備して来て」
「分かったよ」と言い、ニアの自室から出て、台所で夕食の準備を始めた。
夕食の半分ぐらいで、ニアが台所にやって来た。
その時のニアは、普段と変わらなかった。
その後は、いつもの夜を過ごした。
寝る時間になったので、ニアと別れて、自室に戻った。
俺は、少しだけ本を読んでから、寝ることにした。
本もキリがいいところまで来たので、寝ようと思って、ベッドに入ろうとすると、ドアをノックされた。
「ヒツヤ、少しいいかしら?」と、ニアが、ドア越しに、聞いて来た。
「大丈夫だ」と、答えた。
すると、枕を持ったニアが、部屋の中に入ってきた。
「どうしたんだ?ニア」と、聞いた。
「えっとね。その、あの、今日、私と一緒に寝てくれる?」と、聞き返してきた。
「えっ、大丈夫だけど、どうしたの」と、聞き返した。
「き、今日は、絶対に怖い夢を見ちゃうから、ヒ、ヒツヤに、隣にいて欲しいの。ヒツヤが、隣にいてくれたら、怖い夢を見ないと思うから」と、ニアが、枕で顔を半分隠しながら、答えてくれた。
俺は、納得して、ニアと一緒のベッドで寝ることにした。
ニアは、俺の右側に寝ている。
ニアは、「おやすみ、ヒツヤ」
俺は、「おやすみ、ニア」
今日は、結構スキルも使ったので、疲れていたが、直ぐに寝ることは出来なかった。
それもそうだ、好意を寄せているニアが、隣で寝ているからだ。
寝れないでいると、ニアの可愛らしい寝息が聞こえてきた。
さらに、寝付けなくなってしまった。
結局、寝付けたのは、日付が変わってからだった。
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