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第六話 正体
しおりを挟む俺は、折れた短刀を地面に捨て、あるスキルを解除した。
すると、俺の髪と瞳は、黒色に戻った。
俺は、「嘘をついてすまないかった、ニア。俺の元の名前は、飛山 翼。異世界から召喚され、魔王を倒したが、無実の罪で殺されかけた元勇者だよ」
「ヒ、ヒツヤが、ゆ、勇者?ど、どういうこと?」と、ニアが、聞いて来た。
俺は、今までのことを全て説明した。
「そ、そうなのね。これからは、どっちの名前で、呼べばいいの?」と、ニアが、聞いて来た。
「飛山 翼は、死んだ。だから、ヒツヤと呼んでくれ」と、答えた。
「分かったわ。さっき、元勇者と言ったけど、どういうことなの?」と、ニアが、聞いて来た。
「魔王を倒した時に、勇者から超人に進化したんだ。だから、元勇者と言ったんだ」と、答えた。
「超人?」と、ニアが、聞いて来た。
「そう、超人。はっきり言ってこの職業は、おかしい。だって、全てのスキルを使うことができるから」と、答えた。
「す、全てのスキルを。た、確かに、おかしいわ」と言い、ニアは、驚いた表情を浮かべた。
「ねぇ、ヒツヤ。あなたは、これからどうするの?」と、ニアが、聞いて来た。
「うーん、どうしようか、考えているところ」と、答えた。
「そ、そうなの。じ、じゃあ、私とい、一緒に、街に行かない?」と、ニアが、聞いて来た。
「街に?」と、聞き返した。
「そう、街に。だって、ここにいたら、また追っ手が来るかもしれないしね」と、ニアが、答えてくれた。
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俺は、「勿論だ。なら、準備しなくては」
ニアは、俺の手を取って、家に向かって、走り始めた。
ニアは、「じゃあ、早く昼食を食べて、準備しましょう」
家に着いた俺は、昼食を作り、食べ後は、この家から出る準備を始めた。
俺は、スキルで、魔法袋を作り、ニアに渡した。
ニアの私物をこの中に入れてもらう。
俺は、最低限のものだけを残し、全て魔法袋の中にしまった。
片付けをしていると、夕方になったので、夕食を作り、ニアと一緒に食べた。
夕食を食べた後は、片付けをしている時に、ニアから異世界の話をして欲しいと言われたので、片付けが終わった後に、飲み物を飲みながら、異世界のことを話した。
結構話し込んでしまったので、夜遅くになってしまった。
食器を片付け、ニアと別れ、自室に戻った。
俺は、直ぐにベッドの中に入った。
ニアを助けられて本当に良かった。
そして、ニアが、俺のことを受け入れてくれて本当に良かった。
俺は、この世界に守りたいと思う人なんて、出来ないと思っていた。
だが、ニアが、あの狼の獣人に襲われそうになった時、感じたんだ。
ニアのことを守りたいと。
だから、俺は、ニアのことをこれからも守り続けよう。
ニアが、俺の隣に居続ける限り。
俺は、決意を胸に秘めながら、眠りについた。
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