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第四話 怪我治るまで
しおりを挟む夕方ぐらいになると、少女を寝かせた部屋から音が聞こえた。
俺は、少女を寝かせた部屋のドアまで、行き、ドアをノックした。
「だ、誰?」と、少女が、ドア越しに、聞いて来た。
「俺は、この家の家主のヒツヤというものです」と、答えた。
「入っても大丈夫ですか?」と、聞いた。
「え、ええ、大丈夫よ」と、少女が、答えてくれた。
俺は、ドアを開け、部屋の中に入った。
部屋の中に入ると、黒い尻尾を立て、毛を逆立てて膨らませている少女がいた。
どうやら、俺のことを警戒しているようだ。
「な、何で、わ、私のことを助けたの?」と、少女は、警戒しながら、聞いて来た。
「普通の人なら、川に流されている人がいたら、助けることは、当たり前だと考えるからです」と、答えた。
「そ、それは、そうかもしれないけど。で、でも、私は、暗殺者なのよ?」と、少女が、聞いて来た。
「そうだとしても、あなたは、怪我をしていたのです。俺には、そんなあなたを助けないなんて、出来ません」と、答えた。
「そ、そう。そういえば、私の服は、何処ですか?」と、聞いて来た。
「濡れていたので、干したました。今、持って来ますね。あ、あなたが着替えさせたのは、俺では無いので、安心して下さい」と、答え、部屋から出た。
少女が着ていた服や装備などを持って、部屋に戻った。
部屋に戻った俺は、少女に、それらを返した。
少女は、「あ、ありがとう。そういえば、私の名前、言ってなかったわね。私は、ニア」
俺は、「では、ニアさん。怪我が治るまでは、ここにいて下さい」
「いいんですか?ここにいても?」と、ニアが、聞いて来た。
「勿論です。助けたからには、完璧に治るまで、関わりますよ」と、答えた。
ニアは、「ヒツヤは、優しいのね。あ、私のことは、ニアと呼び捨てにしてもらって大丈夫よ。その代わり、私は、ヒツヤのことを呼び捨てにさせてもらうわ」
「分かりました。では、ニア、これからよろしく」と言い、ニアの方に、右手を伸ばした。
「こちこそ、よろしくね、ヒツヤ」と言い、俺が伸ばした右手を握り、握手してくれた。
それから、俺は、ニアの骨折が治るまで、同じ屋根の下で暮らすことになった。
ニアには、俺の職業は、猟師だと嘘を吐いた。
俺の職業を伝えると、ニアは、職業を教えてくれた。
ニアは、ナイフ使い。
ナイフ使いは、ナイフの投擲やナイフ術などのスキルがあるらしい。
ニアと暮らしていく中で、それなりに警戒を解いてくれている。
そのお陰か、ニアの感情が、尻尾によく表れていた。
その感情の表れ方は、本物の猫と同じだった。
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