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第八話 取材
しおりを挟むあれから日が経った。
本来なら夏休みが終わり、新学期が始まっていただろう。
そんな日に自衛隊からある知らせがやってきたのだ。
それは取材がくるという知らせが。
どうやら、自衛隊が護衛としてつき、取材班が来るみたいだ。
それに生放送。
テレビがあるから有咲と見るか。
それと準備だな。
色々な。
あっという間に当日がやって来た。
生放送は避難者達の街から始まったのだ。
避難者の1人が取材に応じ、ここがどれだけ充実しているかを話している。
証拠を提示するように自身の家を案内しながら。
この街に関して説明されるとぼかしながら私のことを説明していた。
うん、特に問題無いな。
そんなことを思いながら、見ていると取材班は近くを歩いていた女性グループに取材したのだ。
それが避難者達ならいいが、そこには有咲がいる。
実は避難者達の殆どは2年生か3年生なので、有咲のことを投票していなかったのだ。
だから、避難者達の街に行くことが増えた。
それに伴い、壁を低くし、門も撤廃している。
信頼の現れだ。
そんなことを思っていると有咲が取材を受けてしまった。
折角、ぼかしたのに私のことを言ってしまったのだ。
途中で周りの者達が止めてくれて良かった。
後で有咲には言っておこう。
そんなことを思っていると取材陣は寮に到着したのだ。
臆病者達の殆どは取材を拒否したが、1人だけうけるものがいた。
それは親の七光り野郎だ。
親の七光り野郎は私の悪評をペラペラ語っているが、全部繋がらない。
ただ思いついたことを話しているだけ。
臆病者で、人でなしで、クズ野郎と来た。
どうやら、本当に救いようがないみたいだな。
さて、面倒と思ったが、取材を受けるか。
そう思い、私は身支度を整え、古民家を出たのだ。
避難者達の街の真ん中で取材陣と出会った。
直ぐに取材を申し込まれたので受けた。
先に私はあの古民家に住んでいると伝えると取材陣は驚きの表情を浮かべていたのだ。
だが、取材陣はプロだ。
直ぐに冷静を取り戻し、取材を続ける。
だが、質問される前にこれだけ伝えないとな。
「先に言っておく。私は差別をしているわけではない。ただ信頼してないだけだ」
「信頼ですか?」
「はい。あの寮に住んでいる者達は私、いや、私達を追放した者達なのです」
「つ、追放?それは本当ですか?」
「間違い無い事実です。ちなみに、1番最初の追放者は私の後輩です。そして、私は後輩と一緒にここに来ました」
流石のプロでも驚きを隠せないか。
「つまり、この街に住んでいる者達は追放された者達です。そして、あの寮に住んでいるのは私達を追放して、安全圏にい続けていた者達なのです。これで、信頼してないということが分かりましたか?」
取材陣は頷いて答えてくれた。
「理解して下さって、感謝します。それでは、案内したい場所がありますので、ついてきて下さい。普通なら案内しませんが、特別ですよ」
特別と聞くと取材陣は目を輝かせたのだ。
まぁ、特ダネになるからな。
私は取材陣をつれて、駐屯地に向かったのだ。
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