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第三話 説明
しおりを挟む居間に座った私は話し始めた。
「まず、笛吹市集団失踪事件について知っているか?」
「知ってるっすけど、ニュースぐらいのことしか」
「それで充分だ。実は私もその被害者なのだ」
その言葉に後輩は驚きを隠せてなかった。
「その失踪先なのだが、こことは違う世界。つまり、よくあるファンタジー作品の異世界だ」
後輩は驚きで固まってしまった。
暫くすると後輩が話し始めたのだ。
「ど、どういうことっすか?」
私は気分が悪くのようなものはぼかしながら、全てのことを話したのだ。
そんな話を聞いた後輩は下を向いてしまった。
「だから、だからっすか。目の下に隈があったのは」
「そうだ。非日常が体に染み付いてしまった。故に平穏な日常が睡眠不足を引き起こしている。まぁ、それしか起きてないからまだマシだがな」
「そんなことはないっす。だって、先輩は苦しんでいるから」
そう言い、後輩を頭を上げたが目には涙を溜めていた。
私は唸るしか無かったのだ。
当たり前に受けているだことを苦しんでいると言われ。
こんな時、なんて言えば良いか分からないな。
だから、行動することしか出来なかった。
私は後輩の涙を拭き取ることしか出来なかったのだ。
「すまないな」
何とか出たのは謝罪だけ。
私は立ち上がった。
「話は終わった。現状を把握しよう」
そう言い、私は台所に向かった。
それに後輩も続く。
台所や風呂場や部屋などを見て回った。
「先輩。これは何っすか?」
「古民家を出したのだが、どうやら施設まで昔のままのようだ」
台所も風呂場も部屋も。
全て昔のまま。
薪を焚かないと火を起こせないし、服も昔のやつだ。
だが、食料はあり、住む場所もあり、着る服もある。
なら、あそこよりはマシになったな。
まぁ、不便だがな。
後はこれを少しずつアップデートしていこう。
今のポイント的に後1つはしても大丈夫だな。
維持費を抜いても。
うん?
そう言えば、部屋の箪笥に下着はあったか?
いや、無かった。
うん、後輩の部屋からだな。
私は褌でもいいが、後輩は女の子だ。
だから、優先。
そう思い、私は直ぐにアップデートしたのだ。
だが、箪笥だけなので、中々ポイントも残った。
これなら少し余裕は無くなるが、もう1つ行ける。
「何かをアップデート出来る。何が良いと思う?」
「風呂場が良いと思うっす。薪での調整は難しいっすから」
「確かにな。なら、風呂場をガスにしよう。明日からのアップデートは話し合った決めよう」
「はい」
後輩の返答を確認してから私は風呂場をアップデートした。
アップデートした風呂場は五右衛門風呂から檜の風呂に変化していたのだ。
いい感じだ。
さて、夕食の準備をして、風呂に入ってから寝よう。
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