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第七十三話 ある日の昼下がり

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 私達が結婚してから半年が経った。

 私はまだクロバーグ公爵家の当主にはなっていない。

 父上と母上がアメリアが結婚するまでは当主にならなくていいらしい。

 爵位を正式に継ぐまではエリーゼとの結婚生活を楽しむことが出来た。

 今日はエリーゼが体調を崩してしまったのだ。

 エリーゼは普段体調を崩すことが無いため、私は心配になってしまった。

 私は直ぐ医者を呼び、診断してもらったのだ。

 エリーゼの診断最中も私はエリーゼの側にい続けた。

 診断が終わり、医者から診断結果を伝えられたのだ。

 「奥様、おめでとうございます。ご懐妊でございます」

 私達はまさかの診断結果に驚き、固まってしまった。

 「か、懐妊?えっと、僕のお腹の中にレイグとの赤ちゃんがいるということ?」

 「ええ、そうですよ。妊娠3ヶ月というところです」

 医者は体をお大事にと言い残し、帰って行った。

 「エリーゼ、体は大丈夫?」

 「レイグ、心配し過ぎだよ。僕はこの通り大丈夫だよ。それに僕は母親になるからしっかりしないとね」

 そう言い、エリーゼは自分のお腹を撫でたのだ。

 「そうだ、レイグ?1つ夫婦の決め事しない?」と

  「いいよ」

 「ありがとう、レイグ。じゃあ、言うね。男の子が生まれたら僕が名前を決めるね。女の子が生まれたらレイグが名前をつけて」

 「それ、いいね」

 「じゃあ、名付けるのは最初は僕からだね」

 「生まれて来る子供の性別分かるの?」

 「確証はないけど、分かるんだ。この子は男の子だって」

 「じゃあ、その子の名前を教えて貰っていい?」

 「もちろん、いいよ。この子の名前はヒルグ。ヒルグ・クロバーグ。僕達の子供、悪役顔の可愛い息子だよ」

 そう言いながら、エリーゼがまたお腹を撫でたのだ。

 私はエリーゼの手に私の手を重ね、エリーゼのお腹に触れたのだ。

 「うん、とてもこの子に似合っている名前だと思うよ」

 「ねぇ、レイグは娘が生まれたら、どんな名前にするの?」

 「そうだな。うーん、クレリア。クレリア・クロバーグなんて、どうかなぁ?」

 「いいと思う。僕似の娘にとても似合っているよ」

 私はエリーゼのお腹に触れているとあることが確信できた。

  私達はこれからもこの幸せは続き、大きくなっていくことを。

 私が確信しているとエリーゼが私のことを呼んできた。

 呼ばれた私はエリーゼの方に目線を向けたのだ。

 「レイグ、僕とても幸せだよ。今だから、断言出来るよ。僕は今世界で1番幸せだよ。ありがとう、レイグ」

 そう言い、エリーゼは嬉し泣きをしながら、世界で1番幸せそうな笑顔を浮かべたのだ。
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