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第六十七話 妹の出身国の王子
しおりを挟む貴族学院が始まってから1ヶ月が経った。
私は1つ困っていることがある。
それは、妹達に近づいて来る男が増えていることだ。
私とエリーゼには近づけないと思い、妹達に狙いを定めている。
貴族達は婚約の申し出をして来ないが、直接妹達と接触し、恋仲になろうとしている。
私はその対応に追われていた。
今日は学院長から応接室に来てくれと言われていたので、応接室に向かっている。
応接室の前に到着し、応接室の扉をノックした。
入室の許可が出たので、部屋の中に入ったのだ。
部屋の中には妹と同い年ぐらいの少年がいた。
「レイグ君、こちらの方はクラメリア王国の第2王子様だ」
「何故、この国から2つ離れたクラメリア王国の第2王子様がここに?」
「どうやら、レイグ君の妹のマリナ嬢のことで来たらしい」
そう言い終えた後、学院長は部屋から退室し、第2王子から話を聞くことになったのだ。
第2王子の話を纏めるとマリナはクラメリア王国の元伯爵令嬢らしい。
その伯爵家は取り潰されていてもう存在もしていない。
そして、マリナが追い出されたのは第2王子との婚約のせいらしい。
マリナが元々いた伯爵家では当主が愛人とその連れ子を連れ込み、マリナは厄介ものにされていた。
そんな状況下で、第2王子がマリナに一目惚れをし、婚約を申し出たみたいだ。
だが、その連れ子が我儘を言い、第2王子と婚約するためにマリナを家から追い出したらしい。
それが王家にばれ、伯爵家は取り潰しになったみたいだ。
そして、第2王子は今まで、リナのことを探していたらしい。
私が有名になったことでマリナがこの国にいることが分かったみたいだ。
それでマリナと婚約を許して貰うために、この国まで来た。
第2王子はマリナのことを想い続けて、誰とも婚約を結んでいない。
私はそのことを聞き、この者にはマリナを任せられると思ってしまった。
話している中で彼の人柄も分かったので、マリナとの婚約を許したいと思った。
それに、私もエリーゼに一目惚れして、婚約したから個人的に応援したいな。
「お話は分かりました」
そう言い、私は冷たくなった紅茶を飲んだ。
「お話を聞いた限り、私は第2王子様なら、マリナのことを任せると思いました」
「でしたら、マリナ嬢を私に」
「ですが、マリナと婚約することは許しません。もし、マリナと婚約したいのならば、マリナのことを振り向かせてください。そして、マリナのことを溺愛している人達を説得してください。その時、私は第2王子の味方になりましょう」
「な、何故、私の味方になってくれるのですか?」
「それは第2王子様と話す中で第2王子様の人柄を知ることができ、マリナのことを任せられると思ったからです。それと私もエリーゼに一目惚れして婚約したので、個人的に応援したいと思ったからです」
「ありがとうございます、クロバーグ殿」
そう言い、第2王子が頭を下げて来たのだ。
私はマリナが好きな食べ物や好きな物などを教えて、第2王子のことをサポートすることにした。
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