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第六十六話 結末

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 魔王が消えた後、主人公を拘束していた魔法は解けたのだ。

 主人公は逃げようとしたが光の輪が口を押さえ、火の輪が手を縛り、岩の輪が足を縛った。

 そして、7つの魔法の輪が主人公の体を縛ったのだ。

 私は魔法が放たれた場所の方を見ると10人の少女がいた。

 その中にはヒロイン達もいたのだ。

 どうやら魅了魔法が消え、正気に戻っているようだ。

 私は主人公のことを衛兵達と主人公に騙された少女達に任せ、会場を後にした。

 闇属性の魔法を使用し、勇者の力を失った主人公は全ての婚約が白紙になり、公爵の位を失ったのだ。

 勇者を処刑しろと言うこともあったが一応魔王を浄化した貢献があるため、処刑することは出来なかった。

 最終的に勇者の処分は強制的に命令することが出来る魔法具の首輪をつけ、人間兵器として使われることになったのだ。

 主に魔物と戦うことになるだろう。

 そして、私は魔王が真実をバラしてしまったため、新しく褒美を貰うことになった。

 私は国王陛下から追加で2つの褒美を申し出ることが出来る。

 何故2つかと言うと魔王とグオターの討伐の褒美だからだ。

 1つ目は私の一族クロバーグ家の婚約を強制することが出来ない権利を申し出た。

 私の一族は代々恋愛結婚なので、今回の件で政治的な婚約が妹達に子孫達に降り掛かるかもしれない。

 だから、今回の褒美に恋愛結婚を出来るように申し出た。

 2つ目は王城の宝物庫にある宝石を望んだ。

 その宝石はゲームの中で王城の宝物庫以外で手に入れることが出来ない宝石だ。

 そして、その宝石はエリーゼの雰囲気にとても合っているため、どうしても欲しかった。

 この2つの褒美は全て受け入れられたのだ。

 そして、クロバーグ家は位上げされ、公爵家になった。

 だが、この国では王族の血を引く者を家に迎えないと公爵家になれないが、今回は結構無理矢理解決させたのだ。

 解決方法はエリーゼが王家の養子となったのだ。

 王家の養子と言っても書類上だけだがな。

 エリーゼの結婚式の時にバージングロードを歩くのはエリーゼの父親のアルクーバ家の当主だ。

 まぁ、エリーゼが書類上だけでも王家の養子になることは3家が反対した。

 だが、四天王を倒し、魔王を倒した次期当主がいる侯爵家をそのままにしておくのは王家としても面目が立たない。

 3家の者達はそれを理解しているから渋々承諾したのだ。

 だが、3家は条件をつけた。
 
 その条件はエリーゼを書類上だけの養子にすることだ。

 エリーゼに関しての権利や行事などに王家は全く関われないと言うものだ。

 王家はそれを承諾した。

 こうして、私の家は公爵家になり、エリーゼは書類上だけの王女になった。

 ちなみに、今までの勇者は王女を娶らなくても無条件で公爵家になれた。

 なんか、不公平だな。

 主人公は勇者の力だけが取り柄なのに。

 
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