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第六十話 別荘地に

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 長期休暇に入り、私達は領地に戻った。

 そして、長期休暇が始まってから1ヶ月が経ったのだ。

 今、私はエリーゼと2人きりで褒美として貰った別荘に向かっている。

 馬車も私達を別荘地に送ったら、そのまま帰ってしまう。

 つまり、同じ屋根の下で2人きりだ。

 まぁ、1泊2日だが。

 本当は2泊3日にしたかったがエリーゼの家族が猛反対してきて、1泊2日になった。
 
 ちなみに、料理とかお風呂とかの自分の身の回りのことは私もエリーゼも出来るので、使用人を連れてこないことが可能だったので今回の2人きりの旅行が計画されたのだ。

 エリーゼは馬車の中、ずっと顔を少し赤くしていた。

 まぁ、恥ずかしいのだろう。

 でも、会話は普通に成り立つので、到着するまで話していた。

 別荘に到着し、私達の荷物を別荘の中に置き終えると馬車は来た道を戻って行ったのだ。

 これで、本当の意味で2人きりになった。

 「えっと、そ、そうだ、レイグ。まずは部屋に荷物を置きに行こう」

 そう言い、エリーゼは荷物を持って、早足で部屋の中に入ってしまった。

 私はエリーゼを追いかけるように荷物を持って、エリーゼの隣の部屋の中に荷物を置いたのだ。

  私は部屋の窓から外を眺めた。

 この部屋からは太陽に照らされ、輝いている澄んだ湖がよく見えたのだ。

 その景色を見ていると扉をノックされた。

 この別荘にはエリーゼしかいないので、入室の許可を出したのだ。

 許可を出すとエリーゼが扉を開けて、入って来た。

 「どうしたの?エリーゼ?」

 「えっと、レイグ。あのこれから湖で遊ばない?」

 「いいね、是非遊ぼう」

 「そ、それなら良かったよ。じ、じゃあ、僕は着替えてくるから湖の前で待っていて。じゃあ、僕はこれで。あ、僕が声をかけるまで、絶対に後ろを向かないでね。約束だからね」

 そう言い、エリーゼは顔を赤くしながら、部屋から出て行ったのだ。

 私はエリーゼよりも先に湖に行くため、直ぐに着替えてから湖の方を向きながら、エリーゼのことを待っていた。

 10分ぐらいすると後ろから気配を感じた。

 そして、後ろから声が聞こえてきたのだ。

 「う、後ろを振り向いても大丈夫だよ、レイグ」

 私が後ろを振り向くとそこには水着姿のエリーゼがいた。

 「ぼ、僕はむ、胸が小さいから似合ってないかもしれないけど、似合っているかな?」

 「いいや、似合っているよ。エリーゼ」

 それを聞いたエリーゼは嬉しそうな表情を浮かべていたのだ。

 「そ、そうなんだ。よ、良かった」

 そう言い、エリーゼは私の手を引っ張ったのだ。
 
 「じゃあ、遊びに行こっか」

 そう言い、エリーゼは笑顔を浮かべたのだ。

 私もつられて笑顔を浮かべた。

 「ああ、たくさん遊ぼう」

 その後、私達は湖遊びを満喫していた。
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