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第五十九話 褒美

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 勇者パーティーが凱旋し、王都に帰ってくると直ぐに謁見が開かれた。

 謁見には私とエリーゼも呼ばれたが、勇者パーティーの面々が主役だったのだ。

 この謁見は褒美を国王陛下に申し出ることが出来る。

 1番最初に呼ばれたのはエリーゼだった。

 エリーゼ自体は褒美を申し出ることが出来なかったが、アルクーバ家が伯爵に位上げすることになったのだ。

 次に呼ばれたのは私だった。

 私は四天王の3人を倒したので、3つ褒美を申し出ることが出来たのだ。

 1つ目はエリーゼ以外との結婚をしないことを望んだ。

 この世界では重婚をすることが出来るが、私はエリーゼだけを愛したいのだ。

 2つ目は刀の所有権を貰うことを望んだ。

 あの刀は私の宿敵の唯一の形見だ。

 研究者からしたら、研究したいものだと思うがこれは譲らなかった。

 3つ目は、家が所有している別荘を望んだ。

 望んだ場所は3人が化粧品の広告用の写真を撮る時に行った別荘だ。

 あそこには思い出もあるし、私の領地から近いため、エリーゼと結婚してからも簡単に行くことが出来るからだ。

 それに、何よりも個人的にあの雰囲気が好きだった。

 私の3つ望んだ褒美は全面的に受け入れられたのだ。

 2つ目だけは条件付きで王都の研究者に見せることになった。

 私がいる場合のみ刀を見せると条件をつけたのだ。

 この辺が妥協点だった。

 最後に呼ばれたのは勇者パーティーだ。

 主人公が私の隣を通る時、勝ち誇った顔を浮かべていた。

 国王陛下から主人公は公爵に任命されたのだ。

 そして、主人公が望んだ褒美は何人でも娶れる許可だった。

 国王陛下はそれを受け入れた。

 謁見を終えた後、パーティーが開かれた。

 私とエリーゼは挨拶に来る貴族達の相手をしながら、パーティーを楽しんだ。

 パーティーの中盤に主人公がいきなり婚約を発表した。

 主人公との婚約を発表したのはエリーゼを除くヒロイン達だったのだ。

 周りの人達は主人公達のことを祝福し、盛大な拍手を送った。

 私はバレない程度の拍手を送った。

 「ねぇ、レイグ。なんで、あまり嬉しそうじゃないの?」

 「あまり重婚とか好きではないからなぁ。そこに愛があるれば、いいと思うけど、私は1人を生涯愛したいと思っている。これからも愛するよ、エリーゼ」

 私がそう言うとエリーゼは顔を赤くして、照れていたのだ。

 「な、なんで、そんなこと、こんな大衆の前で、言っちゃうの。う、嬉しけど」

 私はそんなエリーゼを可愛いと思いながら、見ていると目線を感じたので顔を上げ、目線を感じた方を見てみると主人公が勝ち誇った顔を浮かべていた。

 私はなんで主人公があんな勝ち誇った顔をしているのか、疑問に思ったのだ。

 確かにヒロイン達は可愛いが、エリーゼが1番可愛いじゃないか。

 なんで、あんな勝ち誇った顔を出来るのか理解出来なかった。

 その後、パーティーを終わり、私はエリーゼをエスコートして会場を出ようとした時、ふっと、主人公達を見るとヒロイン達が少しおかしいと感じたのだ。

 だが、私は恋のせいだと自己解決し、そのまま会場を後にした。

 私はエリーゼをアルクーバ家の屋敷まで送り、自分の屋敷に帰ったのだ。

 
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