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第四十一話 求婚
しおりを挟む今日は祭りの2日目だ。
私達とエリーゼ達で催し物を見ていた。
様々な催し物が行われ、それら全て楽しむことが出来たのだ。
途中でエリーゼはお手洗いに行くと言い、何処かに行ってしまった。
エリーゼが帰って来る前に次の催し物が始まってしまったのだ。
どうやら、この催し物は一般の人達がステージの上に立ち、踊ることが出来るようだ。
一般の人達の中に、私の好きな人がいたのを見つけてしまった。
私はそのことに驚いたが、更に驚いたことがあったのだ。
エリーゼが身を包んでいる服に見覚えが無かった。
エリーゼは緑色を基調とした物語に出てきそうな服に身を包んでいたのだ。
そんな恰好なエリーゼは私に向かって微笑みを浮かべてから曲にのりながら踊り出した。
エリーゼの踊りは周りの一般人達とは比べものにならないほど美しかったのだ。
それもそうだ、エリーゼは武闘家のため、舞踊を踊ることが出来る。
踊っているエリーゼはまるで森の中で踊っている妖精のように美しかった。
周りの人達も踊っているエリーゼに見惚れていたのだ。
勿論、私もだ。
曲も終わりに近づき、エリーゼの踊りは更に激しくなって行った。
激しくなった踊りを見て、周りの人達は盛り上がっていったのだ。
曲が終わるのと同時にエリーゼは最後を決めた。
エリーゼが最後を決めると周りの人達は盛大の拍手を送ったのだ。
私も立ち上がり、エリーゼに盛大の拍手を送った。
エリーゼはそんな周りの人達に礼を言い、私の方を向き、笑顔を浮かべたのだ。
私はその笑顔に見惚れてしまった。
エリーゼがステージから降りようとすると誰かがステージの上に登ったのだ。
私はそれに嫌な予感を感じたので、直ぐにエリーゼの元に向かうことにした。
ステージに登った男は16ぐらいの男だったのだ。
「失礼、お嬢さん。お名前は?」
「えっ、僕はエリーゼと言います」
「エリーゼと言うのですね。私はこの国の第2王子のワカラ・ミドナルと言います。先ほどの踊り、素晴らしかったです」
「あ、ありがと」
「エリーゼ嬢、私と結婚してください」
そう言い、なんと第2王子は膝を地面について、求婚したのだ。
「ご、ごめんなさい」
そう言い、エリーゼは頭を下げて断った。
第2王子は断れるとは思っておらず、驚いた表情を浮かべていたのだ。
「な、何故、でしょうか?」
「ぼ、僕には婚約者がいるんです」
「ええ、そうですよ。彼女は私の婚約者ですから、求婚は辞めて頂きたい」
そう言い、私はエリーゼの手を取った。
「あ、レイグ」
「レイグ?もしかして、レイグ・クロバーグ殿ですか?」
「ええ、そうです」
「こ、こんなところで会えるとは思いませんでした。そうですか、エリーゼ嬢がクロバーグ殿の婚約者なのですね。お似合いです。クロバーグ殿、エリーゼ嬢のことを必ず守ってください」
「ええ、エリーゼは必ず私が守ります」
「クロバーグ殿なら大丈夫そうですね」
第2王子はそう言い残し、ステージから降りていった。
エリーゼはその第2王子の方を向いていたので、私は膝をつき、エリーゼの手の甲にキスを落としたのだ。
エリーゼは最初に何されていたが理解出来ておらず、不思議そうな表情を浮かべていたが直ぐに何をされたかのを理解し、徐々に顔を赤くしていった。
「こ、こんな大勢の前で何してるの?レイグ」
「私はエリーゼが取られるのが嫌だから、見せつけようと思って」
「うぅ、レイグのバカ。で、でも嬉しい」
そう言い、エリーゼは微笑んだ。
そんなやり取りをステージの上でしていたので、周りの人達から祝福を受けた。
私はエリーゼのことをエスコートしながら、祝福を受けながらステージから降りていったのだ。
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