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第三十七話 後始末

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 勢いよく開いた扉にはこの国の国王と第1王子と第2王子が怒り心頭の表情を浮かべて、立っていたのだ。

 「衛兵、あの愚か者達を直ぐに捕らえろ」

 直ぐに愚か者達は衛兵によって、捕らえられた。

 捕られられた愚か者達は不当だと言いながら騒ぎ立ていたのだ。

 それを無視して、国王と第1王子と第2王子は私達の前まで来た。

 「申し訳なかった。愚息と我が国の愚かな貴族が、貴殿に不快な思いをさせてしまい」

 そう言い、国王が頭を下げてきたのだ。

 それに続けて、第1王子と第2王子も頭を下げた。

 周りの人々は国王と王子達が頭を下げたことに驚きで固まってしまったのだ。

 「頭をあげて下さい。私には特に危害がありませんでしたから」

 「そうゆう訳にいけません。貴殿は、ラバタ王国を正常に戻してくれた英雄だ。そんな方に無礼を働くことは出来ません」

 「第2王子殿、クラバタ王国の件は内密にして、欲しいということを報酬にしたので、言わないで欲しかったのですが」

 「こ、これは失礼しました。で、ですが、なぜそこまで隠すのですか?」

 「それは目立つのが苦手ですから」

 この会話を聞いて、周りの人達は驚きで固まってしまったのだ。

 私は嫌な予感がしたので、後ろを振り向くとエリーゼが怒った表情を浮かべていた。

 「どうゆうことなのかな?レイグ」

 そう言い、エリーゼが目が笑っていない笑顔を浮かべていたのだ。

 私は後で説明することを伝え、エリーゼをエスコートして会場を後にした。

 その後、第3王子と公爵家の子息は廃嫡され、平民に落とされた。

 そして、クロバーグ家と私の国に賠償金が払われたのだ。

 それと別にクラバタ王国からも追加の報酬をもらうことになってしまった。

 実はこの国の第2王子はクラバタ王国の王族に婿に入ることが決まっている。

 前々からクラバタ王国の第1王女とヤワサカ王国の第2王子は婚約を結んでいた。

 元々は第1王女が第2王子に嫁ぐ予定だったが、後継者が第1王女以外居なくなってしまったので婿入りすることになったのだ。

 今回の追加報酬は謝罪の意味と更なる報酬だ。

 面目を潰してしまうため、報酬を受け取らなければいけなかった。

 留学は生徒の安全を脅かす危険があるため、直ぐに帰ることになったのだ。

 今後、留学が行われない可能性があったが両国の話し合いの結果、条件付きで留学を続けられることになった。

 エリーゼには帰りの馬車の中で説明をした。

 勿論、クラバタ王国の件は学院長の依頼であることを伝えた。

 後、断れないことだったとも伝えた。

 私の説明をし終えるとエリーゼは私の手を握って来たのだ。

 「ねぇ、レイグ。僕はレイグに危険なことをして欲しくないの」

 そう言い、エリーゼは下を向いた。

 「ぼ、僕はレ、レイグのことがす、好きだから、す、凄く、し、心配なの」

 そう言い、エリーゼは顔を上げたが、その顔は赤くしながら、心配そうな表情を浮かべていた。

 私はそんなエリーゼを抱きしめたのだ。

 「大丈夫だよ、エリーゼ。私は何処にもいかないから」

 エリーゼは私を抱き返してくれた。

 「あ、ありがとう、レイグ」

 貴族学院に到着するまで、私達の間には和やかな雰囲気が流れていた。

 貴族学院に到着すると留学に行っていた生徒達の家族が私達のことを待っていたのだ。

 勿論、私とエリーゼの家族も待っていた。

 どうやら、ヤワサカ王国のことを聞いたらしい。

 私は父上と母上と妹にエリーゼは家族に心配された。

 留学から帰るとそのまま長期休暇だったので、エリーゼはエリーゼの家族と私は私の家族と自分の領地の屋敷に帰ったのだ。
 

 
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