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第三十三話 叔父上の養子に
しおりを挟むマリナが屋敷に来てから1ヶ月が経った。
マリナにはメズイタチのぬいぐるみと最高の品質の化粧品と予備用として作っていた魔法具をマリナに似合うように加工して渡している。
突然だが、私は最近困っていることがある。
それはマリナがあまり私と離れようとしないことだ。
お風呂や食事の時以外大体私の隣にいる。
しかも、それに対抗してアメリアも私の隣にいるようになってしまった。
だから、ここ最近は私の隣にはアメリアとマリナがいる。
そして、今日も私の隣にはアメリアとマリナがいた。
だが、昼ぐらいから用事があったので、アメリアとマリナから離れたのだ。
用事を済ますと夕方ぐらいになってしまった。
私は寄り道をせずに屋敷に帰ったのだ。
私が屋敷に帰ると叔父上の馬車が止まっていた。
私が帰ったことに使用人が気づくと私を応接室に案内し出来たのだ。
応接室に通されると父上と母上とアメリアとマリナと叔父上がいた。
「えっと、どうしたのですか?」と
私の問いに父上が答えてくれた。
父上の答えを纏めると叔父上はマリナのことを養子に迎えたいらしい。
叔父上は父上の弟で伯爵家の当主である。
そして、結婚していて、息子が2人いるが娘がいない。
義叔母上は娘が昔から欲しかったらしいが生まれることが無かった。
そのため、マリナのことを養子に迎えたいらしい。
私はその話を聞き、迷ってしまった。
確かに、最近のマリナは私に依存している節がある。
これを機に私離れをすることが出来るからもしれない。
一方で私はマリナのことを救った責任を持っている。
だから、最後まで私が面倒を見る義務があるのだ。
「マリナはどうしたいと思っているの?」
「私はレイグお兄様と離れたく無いと思っています。でも、私はレイグお兄様に頼っている節があります。ですから、この話を受けようと思います」
「そうか、マリナが決めたことだ。私は反対しない。どうか頼むぞ」
そう言い、父上は叔父上に頭を下げたのだ。
「私からもマリナのことをよろしくお願いします」
そう言い、私も叔父上に頭を下げた。
「頭を上げてくれ、お兄上、レイグ。私はマリナに何一つ不自由にさせないことをここに約束する」
当事者同士が納得した為、マリナの養子の件は直ぐに進んだ。
マリナに渡した物は全て持って行ってもらう事にした。
そして、今日、マリナは叔父上の屋敷に行く日になったのだ。
私と父上と母上とアメリアはマリナにお別れを言っていた。
「レイグお兄様、これからもレイグお兄様のことをお兄様と呼んでも良いですか?」
「もちろん、良いよ」
「ありがとうございます、レイグお兄様。偶に私の所まで来て遊ぶに来て下さいね」
「ああ、絶対に遊ぶに行くよ」
その後は父上、母上、アメリア、私の順番でマリナとハグをした。
ハグを終えたマリナは馬車に乗り込んだ。
マリナが乗り込むと馬車が叔父上の屋敷に向けて、進み始めた。
マリナは馬車から私達の方に手を振ってくれたのだ。
私達は馬車が見えなくなるまで手を振り続けた。
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