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第三十二話 ボロボロの少女
しおりを挟む2年生の前期と後期の間の長期休暇になった。
私はクロバーグ家にあるメズイタチが生息している森に来ている。
メズイタチのぬいぐるみの予備を作るためにメズイタチを狩りに来たのだ。
前にメズイタチを狩り、メズイタチの生息地を知っていたのでそこに向かい、メズイタチを一体だけ倒し、素材を回収してから屋敷に帰った。
屋敷に帰る途中に近くの茂みが動いたのだ。
直ぐに私は剣に手を掛け、警戒態勢を取った。
すると、動いた茂みからボロボロの少女が出て来たのだ。
ボロボロの少女は水色の髪を背中の半分ぐらいまで伸ばし、青色の瞳を持っている妹と同い年ぐらいだった。
そして、少女の着ている服は破れ、体と髪は汚れていたのだ。
正体がボロボロの少女だと知った私は直ぐに警戒態勢を解除した。
「大丈夫ですか?」
「あ、あなたは誰?」
「私はクロバーグ侯爵家長男のレイグ・クロバーグと申します。この森の領の次期当主です。貴方の名前は?」
「わ、私はマリナ」
そう答えた後、マリナのお腹の音が鳴った。
そして、マリナは顔を真っ赤にしていたのだ。
私は焚き火を直ぐに起こしてから持っていた保存食料を出し、暖かいスープを作り、持っていた皿に作った皿に盛り付けた。
そして、私はスープをマリナに渡したのだ。
マリナはそのスープを受け取り、ゆっくりとスープを口に運び、スープを口に入れた。
スープを食べたマリナは久し振りの食事なのか、どんどんと食べ始めて、直ぐに食べ終わってしまったのだ。
「お代わりいる?」
マリナは頷いて答えてくれた。
それを確認した私はスープのお代わりを盛り付けた。
その後、マリナはスープを完食したのだ。
「えっと、ありがとうございました」
「気にしないでください。当たり前のことをしたまでですから。それで、マリナさんは何故、こんなところにいるんですか?」
「わ、私は家から追放されたんです。私は要らない子らしいです」
そう言い、マリナは悲しい表情を浮かべていたのだ。
「そんなことないですよ。この世に要らない子なんて、誰も居ませんから。もし、行くところが無いなら、私のところに来ませんか?」
「い、いいんですか?私がレイグさんのところに行っても?」
「いいんですよ。マリナさんは何も悪いことをしてないですから」
その言葉を聞き、マリナは泣き出してしまった。
マリナは泣きながら、私に抱きついて来たのだ。
「ありがとうございます。レイグさん」
私はマリナを抱きしめ、気持ちを落ち着かせた。
10分ぐらい経つと、マリナは落ち着いたのだ。
落ち着いたマリナは私の胸から顔を上げた。
「これからよろしくお願いしますね、レイグお兄様」
そう言い、マリナは笑顔を浮かべたのだ。
その後、マリナを屋敷に連れ帰った。
マリナを屋敷に連れ帰ると使用人達が大騒ぎし、父上を呼んできたのだ。
父上が来ると私はマリナの事情を説明するとマリナのことを受け入れてくれた。
この日、母上と妹はお茶会に行っているので夕方まで帰ってこない。
帰って来たから、説明することにした。
まずはマリナにお風呂に入ってもらい、使用人達に私が作った最高の化粧品を使って、アメリアの服を着てもらったのだ。
父上と私はマリナのことを待っているとドアが開き、綺麗になったマリナが入って来た。
綺麗になったマリナは美しい水色の髪を腰まで伸ばし、青色の瞳を持ち、着ている水色の服がとても似合っている美少女が入って来たのだ。
「レイグお兄様、どうですか?似合っていますか?」
「とても似合っているよ」
「ありがとうございます、レイグお兄様。私、嬉しいです」
そう言い、マリナは笑顔を浮かべたのだ。
その後、私と父上とマリナと話をしていた。
それなりに時間が経つと母上と妹の先触れが帰ってくると伝えて来たので、マリナのことを説明しに行こうとしたが父上、説明すると言ってくれたので、その言葉に甘えた。
父上が説明をしている間は私とマリナと一緒に待っていたのだ。
少し経つと父上が母上と妹を連れて、部屋に入って来た。
その後、少し話すだけでマリナの人柄も分かってもらえ、母上と妹にもマリナのことを受け入れて貰えたのだ。
マリナのことをしっかりとエリーゼにも伝えておいた。
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