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第三十一話 行事
しおりを挟む前期も終わり、今は貴族学院主催の1つの行事に来ている。
この行事は前期が終わってから直ぐに始まるイベントだ。
そして、この行事は一年生の時は無く、それ以降の年になると毎年あるイベント。
一応、この行事は交流を深めるという意図がある。
まぁ、二泊三日なので、交流は深まるだろう。
ゲーム中だとヒロインとの仲を深めるイベントにもなっている。
行事をする場所は貴族学院が保有している別荘地だ。
本当は参加しなくてもいいがエリーゼが参加したいと言っていたので、私も参加するとこにした。
エリーゼは友人達といる時、私はいつもどおり壁になっている。
飲み物片手にし、壁になっていると4人ぐらいのクラスメイトが私に近づいて来たのだ。
「どうしたのですか?」
すると、4人のクラスメイトは私に剣を教え欲しいと言ってきたのだ。
私はその発言に驚いたが、直ぐに納得した。
この4人のクラスメイトにはそれぞれ婚約者がいる。
そして、その婚約者とは政略的では無く、私と同じように相思相愛なのだ。
中にはエリーゼの友人の婚約者のクラスメイトもいた。
多分だが、彼らは自分の婚約者を守りたいのだろう。
だから、私はそのことを了承し、剣を教えるため、人があまりいない場所に連れて行った。
私はクラスメイト達に木刀を渡し、剣を教え始めたのだ。
私は剣の技術時な所を重点的に教えた。
特に時間を掛けたのは、受け流しの技術だ。
「受け流しをなんでそこまで重視いるんだ?」
「受け流しの技術は例え力が敵よりも劣っていたとしても、敵の攻撃から自分の身と自分が大切だと思っている者を守ることが出来るからだ。そして、私が教えているのは敵を倒す技術ではなく、敵から守るための技術です」
その言葉を聞き、クラスメイト達は納得したような表情を浮かべた。
その後、受け流しの技術と自身の効率的な鍛え方を教えたのだ。
それらのことを教えていると夕食の時間も近づいてきたので、解散した。
私は体を洗ってから食堂に向かい、エリーゼと一緒に夕食を取ったのだ。
4人のクラスメイトの婚約者達と一緒に夕食を取っていた。
その後、風呂に入ってから鍛錬し、寝ることにしたのだ。
次の日に朝食を食べていると隣に座っているエリーゼが話し掛けて来たのだ。
「ねぇ、レイグ?昨日クラスメイトに剣を教えたの?」
「教えたけど、なんでエリーゼが知っているの?」
「昨日ね、友達が僕に言ってきたんだけど、突然のことで驚いたけど、直ぐに納得したよ。やっぱり、レイグは優しいね」
そう言い、エリーゼは微笑んでくれた。
「そんなことは無いよ。私はただ力をつけたいと思っている人達の手伝いをしたまでだよ」
「ううん、レイグが優しいからだよ。僕はそんなレイグの婚約者になれて、改めて、嬉しいと思ったよ」
そう言い、エリーゼは笑顔を浮かべた。
私はそんなことをエリーゼから言われて、悪い気がしなかった。
それに、エリーゼを笑顔に出来たからな。
行事の間は時間を見つけて、剣を教え続けた。
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