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第二十五話 最高のぬいぐるみ
しおりを挟む貴族学院の前期が終わり、学校の生徒達のほとんどが領地に帰る。
中には何かしらの理由で帰らない生徒もいるが。
私はクロバーグ領に1人で馬車に乗り、帰っている。
エリーゼはエリーゼのお兄さんと帰っている。
エリーゼのお兄さんは今年で16歳なので、次の年からはエリーゼと一緒に帰ることが出来る。
帰ってきた私はまずは母上と妹にネックレスをプレゼントとした。
母上と妹はとても喜んでくれたのだ。
父上には隣国に関しての本を数冊プレゼントした。
プレゼントとした父上は喜んでいたのだ。
その後、家族団欒を過ごした。
そして、私はクロバーグ領にある森にやってきていた。
ここに来た目的はある物を作るための素材集めだ。
ゲームの中ではヒロインとの仲を深めるアイテムが存在している。
その中でエリーゼとの仲を1番深められるアイテムを作りに来たのだ。
そのアイテムはぬいぐるみだ。
でも、ただのぬいぐるみではなく、特定の条件が揃わないと生息していない魔物の素材を使ったぬいぐるみだ。
その魔物の名前はメズイタチ。
メズイタチが現れる特定の条件は3つある。
1つ目は綺麗な川が流れている森の中。
2つ目は天敵になる魔物がいない。
3つ目は昼間の間だけしか日が当たらない場所。
この3つの条件が揃っている森がクロバーグ領にあるのだ。
ここはゲームの中でも度々訪れ、エリーゼとの仲を深めるためにメズイタチの素材を取っていた。
早速、メズイタチが生息している場所に向かった。
その場所に到着するとメズイタチが10匹ぐらい見つけたのだ。
私は確実に仕留めるため二の型、空間斬を使った。
空間斬で空間を切って、真空波が2匹のメズイタチの首を刎ねた。
そのまま、2匹のメズイタチは素材に変わった。
他のメズイタチ達は水の中に飛び込み、逃げて行った。
私はその2つの素材を回収したのだ。
なぜ、2匹狩ったのかというと妹にもプレゼントとしようかと思ったからだ。
その後、その森の中で実戦経験として様々な種類の魔物を狩った。
様々な種類の魔物を狩ることで戦いの経験を積むことが出来たのだ。
森から帰った私は家族と過ごした後、直ぐに休んだ。
次の日は街に出て、ある場所に向かった。
到着した場所はオーダーメイドが出来るぬいぐるみ屋だ。
ここのぬいぐるみ屋は素材の持ち込みでもぬいぐるみを作ってくれる場所だ。
私は店の中に入り、カウンターに向かった。
私はメズイタチの素材を出し、メズイタチのぬいぐるみを作ることを依頼したのだ。
店員は驚いた表情を浮かべていた。
そして、店員は急ぎ足で奥に行き、店長を連れて来たのだ。
店長は私に是非やらせてくれと言ってきた。
私が頼みますと言うともの凄く喜んでいたのだ。
まぁ、メズイタチの素材なんて触る機会が無いからなぁ。
メズイタチの素材なんてほとんど市場には出回らず、もし出回ったとしてもその殆どが剥製か絨毯になる。
メズイタチの素材をぬいぐるみに使う人はごく稀のことだ。
私が完成の予定を聞くと明日と言われた。
どうやら、この店長は徹夜して完成させるようだ。
私は代金を支払い、店から出た。
その後、街を少し探検してから屋敷に帰ったのだ。
次の日にぬいぐるみ屋に行くと目の下に隈を作った店長が、完成したメズイタチのぬいぐるみを持って来た。
私はそれを受け取り、そのまま屋敷に帰った。
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