悪役顔のモブに転生しました。特に影響が無いようなので好きに生きます

竹桜

文字の大きさ
上 下
24 / 77

第二十四話 闇属性の少女

しおりを挟む

 後2週間で貴族学院の前期が終わる時に私はある路地裏に来ていた。

 その路地裏にはフードを被った男女がいた。

 「こんなところで、何をしているのですか?」

 私がそう発言すると男女は明らかに警戒を顕にした。 
 
 「いや、特に」

 「そうですか、丁度良かったです。私はあなたに用事があったのです。闇属性の少女よ」

 その言葉を聞き、男女は更に警戒したのだ。

 「お、お前はなんなんだ?」

 「私はクロバーグ家の長男、レイグ・クロバーグと申します。貴方達のことを探していたのです。ある物を渡すために」

 そう言い、懐からある魔法具を取り出した。

 「それはなんだ?」

 「これは髪の色と瞳の色を変えることが出来る魔法具です」

 その言葉を聞き、男女は驚きの表情を浮かべていたのだ。

 男は警戒しながら、私の手から魔法具を取った。

 その魔法具はネックレスに加工しており、男は少女に付けるため、少女のフードを取ったのだ。

 フードを取った少女は黒色の髪を持ち、黒色の瞳をしていた。

 男は少女の首に魔法具を掛けたのだ。

 すると、少女の髪はオレンジ色に少女の瞳は茶色に変わった。

 男は少女の容姿が変わったことに驚きの表情を浮かべていたのだ。

 「ありがとうございます。これでレイネは狙われずに済みます」

 そう言い、男は私の手を握って来たのだ。

 「良かったです。これで私と同じ黒髪の人を救えましたから」

 レイネと男に礼を言われながら、私は裏路地を後にしようとしたが、念の為お金を渡すことにした。

 流石に2人は遠慮したが、私が幸せになって欲しいと旨を伝え、受け取らせた。

 そのまま、私は裏路地から出ようとしたがレイネに止められた。

 「本当にありがとうございます。これで、私達は幸せになれます」

 そう言い、レイネは頭を下げて来たのだ。

 「気にしないで下さい。これは私がしたくてしたことですから。もし、私に感謝したいなら幸せになって下さい」

 そのまま、私は裏路地を出て大通りに出た。

 レイネと男は私が人混みに紛れて見失うまで、頭を下げ続けた。

 ふぅ、なんとか救うことが出来た。

 このイベントはある選択肢を選ばないと出てこないイベントだ。

 闇属性の少女が幼馴染と逃げていて、あの裏路地を出会うというものだ。

 このイベントはある特定のアイテムを持っていないと、2人を王都から逃すという選択肢しか出てこない。

  ある特定のアイテムを持っているとその特定のアイテムを渡すという選択肢が出てくる。

 このイベントが発生しないとレイネは死に男は魔王軍の協力者になり、最終的には処刑されてしまう。

 そして、王都から逃すだけでは同じ結末を迎えてしまう。

 唯一、特定のアイテムを渡すことが2人を幸せにする方法だ。

 このイベントはこのゲームの中で9回繰り返した。

 1周目は気づかなかった。

 2周目は気が付いたが王都から逃がしただけ。

 3周目は特定のアイテムを発見し、2人を幸せにした。

 それからはずっと2人のことを幸せにしている。

 このイベントを無事正解の選択肢を選べて良かった。

 ここはゲームの世界では無く、現実だからな。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

伯爵家の三男に転生しました。風属性と回復属性で成り上がります

竹桜
ファンタジー
 武田健人は、消防士として、風力発電所の事故に駆けつけ、救助活動をしている途中に、上から瓦礫が降ってきて、それに踏み潰されてしまった。次に、目が覚めると真っ白な空間にいた。そして、神と名乗る男が出てきて、ほとんど説明がないまま異世界転生をしてしまう。  転生してから、ステータスを見てみると、風属性と回復属性だけ適性が10もあった。この世界では、5が最大と言われていた。俺の異世界転生は、どうなってしまうんだ。  

勇者パーティーにダンジョンで生贄にされました。これで上位神から押し付けられた、勇者の育成支援から解放される。

克全
ファンタジー
エドゥアルには大嫌いな役目、神与スキル『勇者の育成者』があった。力だけあって知能が低い下級神が、勇者にふさわしくない者に『勇者』スキルを与えてしまったせいで、上級神から与えられてしまったのだ。前世の知識と、それを利用して鍛えた絶大な魔力のあるエドゥアルだったが、神与スキル『勇者の育成者』には逆らえず、嫌々勇者を教育していた。だが、勇者ガブリエルは上級神の想像を絶する愚者だった。事もあろうに、エドゥアルを含む300人もの人間を生贄にして、ダンジョンの階層主を斃そうとした。流石にこのような下劣な行いをしては『勇者』スキルは消滅してしまう。対象となった勇者がいなくなれば『勇者の育成者』スキルも消滅する。自由を手に入れたエドゥアルは好き勝手に生きることにしたのだった。

誰も要らないなら僕が貰いますが、よろしいでしょうか?

伊東 丘多
ファンタジー
ジャストキルでしか、手に入らないレアな石を取るために冒険します 小さな少年が、独自の方法でスキルアップをして強くなっていく。 そして、田舎の町から王都へ向かいます 登場人物の名前と色 グラン デディーリエ(義母の名字) 8才 若草色の髪 ブルーグリーンの目 アルフ 実父 アダマス 母 エンジュ ミライト 13才 グランの義理姉 桃色の髪 ブルーの瞳 ユーディア ミライト 17才 グランの義理姉 濃い赤紫の髪 ブルーの瞳 コンティ ミライト 7才 グランの義理の弟 フォンシル コンドーラル ベージュ 11才皇太子 ピーター サイマルト 近衛兵 皇太子付き アダマゼイン 魔王 目が透明 ガーゼル 魔王の側近 女の子 ジャスパー フロー  食堂宿の人 宝石の名前関係をもじってます。 色とかもあわせて。

子爵家の長男ですが魔法適性が皆無だったので孤児院に預けられました。変化魔法があれば魔法適性なんて無くても無問題!

八神
ファンタジー
主人公『リデック・ゼルハイト』は子爵家の長男として産まれたが、検査によって『魔法適性が一切無い』と判明したため父親である当主の判断で孤児院に預けられた。 『魔法適性』とは読んで字のごとく魔法を扱う適性である。 魔力を持つ人間には差はあれど基本的にみんな生まれつき様々な属性の魔法適性が備わっている。 しかし例外というのはどの世界にも存在し、魔力を持つ人間の中にもごく稀に魔法適性が全くない状態で産まれてくる人も… そんな主人公、リデックが5歳になったある日…ふと前世の記憶を思い出し、魔法適性に関係の無い変化魔法に目をつける。 しかしその魔法は『魔物に変身する』というもので人々からはあまり好意的に思われていない魔法だった。 …はたして主人公の運命やいかに…

【完結】前世の不幸は神様のミスでした?異世界転生、条件通りなうえチート能力で幸せです

yun.
ファンタジー
~タイトル変更しました~ 旧タイトルに、もどしました。 日本に生まれ、直後に捨てられた。養護施設に暮らし、中学卒業後働く。 まともな職もなく、日雇いでしのぐ毎日。 劣悪な環境。上司にののしられ、仲のいい友人はいない。 日々の衣食住にも困る。 幸せ?生まれてこのかた一度もない。 ついに、死んだ。現場で鉄パイプの下敷きに・・・ 目覚めると、真っ白な世界。 目の前には神々しい人。 地球の神がサボった?だから幸せが1度もなかったと・・・ 短編→長編に変更しました。 R4.6.20 完結しました。 長らくお読みいただき、ありがとうございました。

フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる 

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ 25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。  目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。 ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。 しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。 ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。 そんな主人公のゆったり成長期!!

幼馴染を守る為に死んだ黒騎士は、あの約束を守る為に、転生する

竹桜
ファンタジー
幼馴染を守る為に死んでしまったエドリックは、記憶が無くしたまま、別の世界に転生した。  だが、別の世界に住んでいた記憶が無いエドリックは、クラスメイト共に元々居た世界に勇者召喚されてしまう。  そこで記憶を取り戻し、幼馴染との約束を守る為にエドリックは、幼馴染と約束した場所に向かうのだった。 *タイトルを変更しました。 旧タイトル、生まれ変わっても君との約束を守るよ 新タイトル、幼馴染を守る為に死んだ黒騎士は、あの約束を守る為に、転生する  

余命半年のはずが?異世界生活始めます

ゆぃ♫
ファンタジー
静波杏花、本日病院で健康診断の結果を聞きに行き半年の余命と判明… 不運が重なり、途方に暮れていると… 確認はしていますが、拙い文章で誤字脱字もありますが読んでいただけると嬉しいです。

処理中です...